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なぜ「ビリー・ザ・キッド」の墓は「檻」に囲まれている? 伝説のアウトローの足跡を辿って少し寄り道【ルート66旅_28】

なぜ「ビリー・ザ・キッド」の墓は「檻」に囲まれている? 伝説のアウトローの足跡を辿って少し寄り道【ルート66旅_28】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

伝説のアウトローは死後も檻のなかで眠る

この街で絶対に立ち寄りたいのは、その名も「ビリー・ザ・キッド・ミュージアム」だ。展示は彼の生涯や遺品にとどまらず雑多だが、当時の生活や文化を詳しく知ることができる。

次はビリー・ザ・キッドの墓所。街のメイン・ストリートからその名も「ビリー・ザ・キッド・ドライブ」に進むと、少し先にビジターセンターを備えた「オールド・フォート・サムナー・セメタリー」がある。墓地に足を踏み入れた瞬間ひと目で分かる異様な一角、それがビリー・ザ・キッドが眠っている場所なのだ。

石碑には数ある偽名のなかでもっとも有名な「ウィリアム・H・ボニー」と、生涯がごく短い文章(これによると殺害したのは21人)で刻まれており、まるで収監されているかの如く墓石を含め頑丈な鉄格子で囲まれている。

ビジターセンターの人いわく「死んでも檻から出られないんだよ」とのことだが、実情はモラルのないファンが削って持ち帰るという被害が頻発したようで、敵とみなしていた権力に保護されているのはなんとも皮肉としか言いようがない。

数々の映画やドラマで今なお伝説は生き続ける

ビリー・ザ・キッドは通り名から想像できるとおり、身長160cmにも満たない小柄な若者だったという。しかしながら射撃と乗馬には人並み外れた才能を発揮し、殺人や強盗といった罪を重ねながら逃亡生活を送る。1880年12月には友人である保安官パット・ギャレットに逮捕されるものの、翌年の4月には刑務所からの脱走に成功し悪名を全土に轟かせた。世を去ったのはわずか3カ月後の1881年7月14日。汚名を晴らすべく追っていた前述のパット・ギャレットにより、フォート・サムナーにある自分の根城で射殺されてしまうのだ。

彼をテーマにした有名な作品にはエミリオ・エステベス主演の映画『ヤングガン』(1988年)および『ヤングガン2』(1990年)や、2024年1月に来日公演が決まったビリー・ジョエルの曲『バラード・オブ・ビリー・ザ・キッド』などがある。

いっぽうパット・ギャレットは義賊として民衆から崇拝される状況を憂い、誤った人物像を正すべく著書『ビリー・ザ・キッド、真実の生涯』を残した。

今も昔も多くの人を惹きつける伝説のアウトロー。彼の拠点であり21年の人生を終えたフォート・サムナー、ルート66から少し外れるが訪れる価値は十分にあるはずだ。

■「ルート66旅」連載記事一覧はこちら

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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