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マクラーレンとメルセデスのダブルネームの「SLR」なら8000万円オーバーの価値は十分にあり! 150台限定の「722エディション」なら安すぎる!?

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

出品車両は2006年12月にマクラーレンから出荷されたモデル

ここで紹介する「722エディション」は、さらにスポーティなSLRマクラーレンを求めるカスタマーのために、2006年のパリ・サロンで発表されたモデルだ。722という数字は、1955年のミッレミリアでスターリング・モスのドライブとデニス・ジェンキンソンのナビゲーションで勝利を飾った300SLRのゼッケンナンバーに由来するもの。ちなみにこの722エディションの生産は、わずか150台の限定で行われている。

722エディションでは300以上のパーツが新設計され、フロントのV型8気筒ユニットの最高出力もスタンダードなSLRマクラーレンの617psから641psに向上。それによって0‐100km/hのタイムも3.6秒に短縮された。もちろん722エディションへの改良はエンジンのみにとどまらない。

モノコックタブは専用設計とされ、それによって重量は18kg軽減、ほかにも19インチ径ホイールの採用で1本あたり4.5kg、オイルタンクも13kg軽量化されるなど、トータルで44kgのダイエットに成功しているのだから驚く。ホイール径の拡大はより大きなカーボン・セラミックブレーキの採用を可能にし、新デザインのフロントスプリッターはダウンフォースを128%増加させた。

今回出品された722エディションは、2006年12月にマクラーレンから出荷されたモデルで、スポーツパッケージとCDチェンジャーがオプションで備わる。カーボンファイバー製のシートはラージサイズという仕様だ。

2014年にはドイツ・ハンブルグで3万9260ユーロという大規模な整備を受け、その後にイギリス人のカスタマーに売却。直近では2023年10月に約2万ポンド相当の整備を受けている。

RMサザビーズが開催したロンドン・オークションでは、予想落札価格は42万5000ポンド~47万5000ポンド(邦貨換算約7863万円~8788万円)と提示されていたが、残念ながら最低落札価格には届かず流札。だがその後、プライベート・セールで、あるカスタマーに販売されたという。その価値はこれからも変わることはないだろう。

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