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フォード「サンダーバード」のオーナーは米寿を迎えるお父さん!! 人生最後の思い出に「懐かしの愛車」を再び手に入れました

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(ガスグラフィックス)

  • 1974年(昭和49年)式フォード「サンダーバード」(6代目)と、佐藤章彦さん。実際のオーナーは章彦さんの父親である健太郎さんだが、父親に代わって代理でイベントに参加
  • 高級ラグジュアリークーペとして生まれた「サンダーバード」。この1974年式には、オートマチックオンオフヘッドライト、電動シート、コーナリングライトといった多数のオプションが設定された
  • コーナーポールやバンパー、各モール類などが美しい状態のままで残されている
  • ホイールも純正のまま。ホワイトリボンタイヤも、この年代ならではの雰囲気を醸し出す
  • 安全性の問題で1973年より必須となった5マイルバンパー。この大型バンパーの有無は、アメ車好きには好みが分かれる
  • 広大な屋根を覆う黒いバイナルトップ。Cピラーに装備されたオペラウインドウは1973年式以降に採用された
  • 細くて大径のステアリングホイールも、当時の高級車ならでは
  • 内装の状態は非常に良好。歴代オーナーが大切にしてきたことを物語っている
  • 大きな翼を広げるサンダーバードがテールランプのセンター部に輝く。左右4個ずつ区別されたテールランプデザインが後期の証し
  • 嵐を呼ぶとされる伝説上の鳥=サンダーバード。高級志向のリンカーンに比べると日本国内では不人気だったため、現存個体も少ない
  • 歴代車の中で最大サイズを誇る6代目は1976年まで生産された

イベントは不参加でも、息子さんが代わって参加

2023年10月15日に福岡県北九州市門司区にて開催された「門司港レトロカーミーティング2023」には、国籍問わず様々なビンテージカーが大集合していた。その中でも、そのサイズ感で目立っていたのがこのフォード「サンダーバード」。全長5.7m以上、全幅2m以上のド迫力ボディで、当時のフォード史上、2268kgという最重量ボディを持って生まれたこの6代目のオーナーは、なんと2023年で御年88歳になられる方だった。しかし、「遠出は無理」とイベントにご本人は来られず、代わって息子さんである佐藤章彦さんが代理参加。お父さんのサンダーバードに対する思い入れを、章彦さんに教えてもらった。

大きなサイズのクルマが大好きだったお父さんが選んだ最後の愛車

原油価格の高騰が続き、燃費が良くない大排気量車を所有するには、世知辛い時代になってしまった。それにも関わらず、漢気溢れるフォード「サンダーバード」で「門司港レトロカーミーティング2023」に参加していた佐藤さん。そのサイズ感と存在感で会場でも目立っていたが、この車両の本当の所有者は、佐藤さんのお父上である、健太郎さんだった。

「父は昭和10年生まれなので、今年で88歳になります。12月に米寿のお祝いをするんですよ。私が子供の頃に、父はこの時代のサンダーバードを前期、後期と乗り継いでいました。後期は私が20歳の頃まで乗っていたような気がしますね。ファミリーカーとして使っていたので、サンダーバードに乗って、いろいろな場所に連れて行ってもらった記憶があります」

章彦さんが子供だったことあり、詳細な車種は曖昧だそうだが、アメ車はポンティアックやリンカーン、ベンツにセンチュリーなど、健太郎さんはクルマが好きでいろいろな車種を乗り継いできたそう。そんな父親が、「もう一度乗りたい」と希望したため、1年ほど前にこの「サンダーバード」を入手したのだとか。

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