走りと実用性を満たしてくれるクルマは意外にも多い
スポーツカーが欲しい、スポーティな走りが愉しめるクルマが欲しい……しかーし、一家に1台のクルマ所有で、家族も大きな子供もいる。そんなシチュエーションでのクルマ選びは、走りを取るか、後席の居住性を含めた実用性を取るかのせめぎあいであり、なかなか結論は出ない………いや、無理な話か。と、思いがちだが、じつは、スポーティな走りと後席を含めた実用性の両方を満たしてくれるクルマは、決してないわけではない。
ホンダ シビック
国産車なら、まずはホンダ シビックだ。意外なほど乗り心地がいいタイプRとまではいかず(理想的だが、納期が……)、HEVモデルでも、今のシビックはその佇まいからして迫力あるスポーティルックだし、スポーティな前席の着座位置、サーキットでさえ楽しめる走りの良さ、気持ち良さを備えているのである。
もちろん、後席もゆったり。タイプRではなくても、今回のスポーツモデル×実用性の相反しそうな要件を満たしてくれる1台と言っていい。e:HEVモデルはエンジンこそ2L直4、141ps、18.6kgmながら、モーターは184ps、32.1kgmもあるのだから、スポーティにも走れる。タイヤにしても、235/40R18サイズの超扁平、スポーツタイヤだったりするのだ。
トヨタ カローラスポーツ
トヨタ派なら、カローラスポーツという手がある。それも、今では中古車でしか買えない1.2Lターボエンジン+6MTのG”Z”グレードである。フロントマスクのカッコ良さ、全幅1790mmのワイドスタンス、18インチ大径タイヤがもたらす佇まいは、その名の通り、カローラの名を冠したスポーツモデルそのもの。オプションにはレッド×ブラックのレーシーなスポーツシートまであったのだ。
6MTモデルは、iMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)と呼ばれる変速・発進操作をアシストする機能を持つ最先端のMTであり、クラッチ操作をアシストしてくれるだけでなく、エンストしないような配慮まで備えているから、MT初心者でも6MTのマニュアルシフトを目いっぱい、味わい、楽しむことができるというわけ。
しかも、カローラだけに後席、ラゲッジルームを含めた実用性にもぬかりなし。エクステリアデザインだけでも大満足できるはず。ただし6MTが廃止されたのが、残念無念ではある。