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スバル「トライベッカ」を覚えてる? イタリア車っぽいデザインが受け入れられずにフェイスチェンジした大型SUVでした

フロントグリルは、スバルの源流である中島飛行機が手掛けていた航空機の両翼をイメージした形状となっていた

エクステリアは中島飛行機が手掛けていた航空機の両翼をイメージ

スバルと言えば水平対向エンジンとシンメトリカルAWDによって卓越した走行性能を誇っている。現在も多くのファンを抱えるメーカーとなっており、その特性を生かしたクロスオーバーSUVの「フォレスター」や「アウトバック」、そして先日追加された「レヴォーグ レイバック」なども人気を博している。

アメリカを強く意識して仕立てた1台

そんなスバルが過去に大型SUVの「トライベッカ」というモデルをリリースしていたことを記憶している人はどのくらいいるだろうか? そんなクルマあったっけ? と感じる人もいるかもしれないが、その感想はある意味正しいものと言える。というのも、トライベッカは日本国内では正規販売されることがなかった海外専売車だったのである。

2005年に販売を開始したトライベッカは当初、北米地域をターゲットとしてリリースされており、「B9トライベッカ」の車名で発売。ちなみにB9のBはボクサーエンジンの頭文字を表しており、数字の9は車格を表すものとなっている。

ボディサイズは全長約4820mm×全幅約1880mm×全高約1690mmと大柄なボディに、3Lの水平対向6気筒エンジンのEZ30型を搭載していた。そして室内には3列7人分のシートが備わっており(2列5人乗り仕様も存在)、このあたりはアメリカを強く意識した仕立てとなっている。

エクステリアデザインには当時スバルが採用していた「スプレッドウィングスグリル」を採用。これはスバルの源流である中島飛行機が手掛けていた航空機の両翼をイメージした形状となっており、日本では軽自動車のR1/R2が採用していたものだ。

このデザインは非常に個性的であった一方で否定的な意見も少なくなく、2008年モデルからはスプレッドウィングスグリルを配したプレーンなデザインへと一新。この変更はフロントマスクだけでなく、テールランプやハッチゲートの形状が改められ、サイドウインドウの形状も変更される大掛かりなものとなっていた。

さらに搭載エンジンもやや力不足が指摘されたEZ30から、3.6Lの排気量を持つEZ36へ換装される大改良を実施。車名もそれまでの正式名称である「B9トライベッカ」から単に「トライベッカ」に改められている。

このように非常に個性的な大型クロスオーバーSUVであったトライベッカであるが、販売面では苦戦が続き、北米地域では2005年から2014年まででおよそ7.6万台の販売台数に留まってしまっている。

なお、トライベッカ終売直後には後継車種は存在しなかったものの、2018年には新たな3列シートを備えたクロスオーバーSUVである「アセント」が登場し、こちらは現在までに30万台以上の販売をマークしている。 

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