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激レアモデルがザックザク! アポロ「3500GT」にVW「ラリーゴルフG60」などが展示された「アウト・エ・モト・デポカ」をご紹介します

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 武田公実

  • ひと頃は日本にもごく少数ながら輸入されていたビッターCD
  • FIAグループAでの世界ラリー選手権エントリーのため、フォルクスワーゲン社が自らゴルフIIを徹底的に仕立て直した「ラリーゴルフG60」
  • ランチア スコーピオンの前後バンパーは大型のものが装着されている
  • ランチア スコーピオンの生産当時には北米の排ガス対策のために排気量ダウン(2L→1.8L)と大幅なパワーダウンを強いられていた
  • 1959 年から 1963 年にかけて生産した商用車のランチア「ジョリー」
  • ヘッドライト光軸高を北米の法規に適応させるため、少しだけ起き上がるセミ・リトラクタブル式に改装したランチア「スコーピオン」
  • 1970〜80年代の独オペルの上級モデルをベースに仕立てられたビッターCD
  • 「ハービー」と並んで、映画のシーンを再現するアポロ3500GT

日本じゃめったに見られない? 

2023年10月26日〜29日、筆者はイタリア・ボローニャで開催された「アウト・エ・モト・デポカ(Auto e Moto d’Epoca)2023」を訪ねていた。このクラシックカーイベントは「トレードショー」と呼ばれるもののひとつ。

イタリアで出会ったレア車たち

クラシックカー(近年ではヤングタイマーも含む)やそのパーツ、グッズ類などを展示・販売するとともに、自動車メーカーや愛好家クラブなどのブースも出展するもので、1990年代にパリの「レトロモビル」が爆発的な人気を得たのを契機に、ドイツの「テクノクラシカ・エッセン」や英国「NECクラシックカーショー」など、ヨーロッパ各国に波及している。

そんな中にあって、アウト・エ・モト・デポカはヨーロッパ最大級のクラシックカーショーを自認しているようだが、その自信を裏づけるように欧州のカーショーならではのクルマや、日本では見る機会が皆無に等しいような、超レア車たちにも会うことができた。

アポロ3500GT

一般ディーラーのブースで発見した黄色いスポーツカーの名は「アポロGT」。フランコ・スカリオーネのデザインによるアルミ製ボディから、一見したところではフェラーリに代表されるイタリア製グラントゥリズモのようにも映るが、実際はアメリカ企業の発案でイタリア設計のシャシー/ボディを持ち、アメリカ製V8エンジンを搭載。1962年から1964年ごろまで88台が作られたという、多国籍なクルマである。

このクルマについての数少ない有名なエピソードとして挙げられるのは、1968年に公開されたディズニー映画『ラブバッグ(The Love Bug)』にて、意志を持つVWビートル「ハービー」と公道レースのデッドヒートを演じたこと。この作品は当時から日本でもヒット作となり、今でも公式に動画配信されているので、ご記憶の方もいらっしゃることだろう。

のちに「ローバーV8」となるGMビュイック製V8・3.5Lを搭載する「3500GT」のほか、同じビュイックの5Lスモールブロックを搭載する「5000GT」も少数が製作されそうだが、この展示車は映画出演車両と同じく3500GTとのこと。

となりにゼッケンNo.53をつけたハービー仕様のVWビートルを置くという、センスの良さを感じさせるディスプレイも注目を集めていたようだ。

ビッターCD

2023年のアウト・エ・モト・デポカにて、少なくとも3台の売り物が確認できた「ビッターCD」。ひと頃は日本にもごく少数ながら輸入されていたことから、古くからのカーマニアならばご存知かもしれないが、1970〜80年代の独オペルの上級モデルをベースに、まるでイタリアンGTのように豪奢なグランドツアラーを製作・販売していたビッターの第1作である。

アダム・オペル社の元社員で、オペルをベースとするマシンを開発してレース活動も行っていたエーリヒ・ビッターは、自社ブランド「BITTER GmbH」を立ち上げ、当時のオペルの最上級モデル「ディプロマート」をベースとする高級クーペの開発に乗り出す。

ホイールベースを2845mmから2680mmに短縮したディプロマートのフロアユニットに、シュトゥットガルトの「バウア」社によるスタイリッシュな2+2クーペを架装。北米シボレー製V8 OHV・5.4Lエンジンを搭載したビッターCDは、1973年から1979年にかけて395台が製造されたといわれている。

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