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「冷えたバターを熱いナイフで切るような」とは、どんなシフトフィール?「アバルトの毒」は「跳ね馬」へのカウンターでした

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 郡大二郎/神村 聖/AMW編集部

  • サソリのエンブレムは創始者カルロ・アバルトの誕生日の星座にちなんだもの
  • サソリのエンブレムがアバルトの証。黒々とした毒々しいサソリと、陽気なイタリアンカラーが象徴するギャップこそが、このクルマの本質をあらわす鍵か
  • 2023年6月に国内200台限定で発売されたアバルト695トリビュート131ラリー
  • 2023年6月に国内200台限定で発売されたアバルト695トリビュート131ラリー
  • アバルト695トリビュート131ラリーのリア
  • 真っ赤なエンジンカバーにも蠍が潜む
  • キーはもちろん、車検証ケースもカッコいい!
  • 1964年型ポルシェ356Cクーペの75psスペック
  • 1964年型ポルシェ356Cクーペの75psスペック
  • 1964年型ポルシェ356Cクーペのリアスタイル
  • アクセルペダルはオルガン式
  • 革そのものの厚みを感じさせるシートや、縁までキリッとしたカーペットなど、フィニッシュはじつに上質
  • カレラとカレラSの中間に位置するモデルとなる「カレラT」。価格はカレラの137万円高となる1757万円
  • トランスミッションは6速MTのみを搭載。ハイパフォーマンスモデルのGT3よりクロスレシオな設定となる
  • 911の7速MT

クルマメディアでお馴染みの変な表現の由来とは

雑誌、あるいはWEBマガジンなどの自動車関連メディアではよく目にしつつも、一般的にはあまり見ることのない言葉というものは、たしかに存在する。これからいくつかの例を挙げ、その由来や意味について解説させていただくことにしよう。

「アバルトをサソリにたとえる表現」

今も昔も、アバルトを象徴するアイコンといえばサソリ。そのエンブレムやグラフィックにもサソリが掲げられているのだから、当然といえば当然のことである。

では、なぜサソリがアバルトの紋章に掲げられたかといえば、開祖であるカルロ・アバルトが1908年11月15日に生まれ、その星座がさそり座であることが発端という説に、疑う余地はあるまい。とはいえ、独特の美的センスと卓越したビジネスセンスを有していたアバルトが、サソリという生き物のイメージを巧みに利用したこともまた、明らかではないかとも推測される。

モータースポーツ、ことにスポーツカー耐久レースのGTカテゴリーにて、より大排気量のクラスに属する「馬(フェラーリやポルシェ)」、「ジャガー」、「蛇(アルファロメオやコブラ)」など、より大きな動物を紋章とするライバルたちを向こうに回して、小さなサソリがクラス優勝はもちろん、ときには総合順位でも上位に食いこむさまが、「サソリのひと刺し」になぞらえられたともいえるのだ。

それはサーキットのみならず、1960年代のヨーロッパの公道をステージとした走り屋たちにとっても、同じ爽快感をもたらしていたようだ。

フェラーリやランボルギーニはもちろん、もともとの出自が高貴なアルファ ロメオも比較的富裕なカーマニアのもの……、というイメージがかつてのイタリアでは強かった。それに対して、第二次大戦後に庶民のアシとなったフィアットの大衆車をベースとし、チューニングキットとしても販売されたアバルトは、頑張れば庶民でもギリギリ手に入れられる。その安価なクルマが、より高価なスポーツカーたちとワインディングでは対等に渡り合い、時には打ち負かすこともあり得る。

そんなカタルシスやヒロイズムが「アバルト」と「サソリ」をリンクしたイメージとして、イタリア国内から欧米に、そして日本を含む世界中で定着したのであろう。

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