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フェラーリ「モンディアル」がヘヴィメタルをBGMに大激走! 映画祭でグランプリ獲得の隠れた傑作とは?【映画とクルマ】

出演はカイル・マクラクラン、マイケル・ヌーリー、クリス・マルケイ

極悪異星人はヘヴィメタルとフェラーリがお好き!?

映画に登場する名車をストーリーとともに紹介する「映画とクルマ」。今回は、マニアの間ではまさしくカルト的な人気を誇っていたSFアクションホラームービー『ヒドゥン』をお届けします。

カルト的な人気を誇っていた

のちにTVシリーズ「ツインピークス」で社会現象的人気を博すことになったカイル・マクラクランが主演していることもあって、『ヒドゥン』は一部マニアの間ではまさしくカルト的な人気を誇っていた。筆者は是非ともこの作品をご紹介したいと考えていたが。なぜならば、1987年に公開されたこの作品では、同時期のフェラーリが縦横無尽の活躍を見せてくれるからである。

ロス市警の刑事・トム・ベック(マイケル・ヌーリー)は、カーチェイスの末、凶悪殺人犯を強制逮捕した。ところが、病院で死んだ被害者デヴリーの周辺をいくら調査しても、彼は平凡な常識人だったという証言しか得られなかった。

捜査に行き詰まったベックを、ギャラガーと名乗るFBI捜査官(マクラクラン)が訪ねてくる。若きエリートへの反発から、バックは被害者が死亡したことを理由に突っぱねようとするが、ギャラガーは半ば強引にベックの相棒として捜査に介入してくる。

ギャラガー捜査官は、これは連続した事件で、必ず次の事件が起きると予言。そして、その予想は的中した。同様の凶悪事件が発生し、被疑者は射殺されていったのだ。次なる被疑者のミラーにデヴリーズとの面識はなく、唯一の接点と言えるのはデヴリーズが死亡した病院で同室だったこと。

疑念を深めてゆくベックに詰問されたギャラガーは、ついに一連の殺人事件はすべて同一のエイリアン、つまり異星人によるものであると告白する……。

熾烈なカーチェイスを展開

この作品でもうひとりの主役ともいえる極悪異星人は、なぜか地球では、ヘヴィメタルとフェラーリに強く惹かれてしまう。そして温厚な紳士からセクシー美女に至る他人の身体に憑依して漆黒の308GTS、次に深紅のモンディアル3.2カブリオレを次々と奪い取り、ヘヴィメタルをBGMに大激走。しかも、ギャラガー捜査官の愛車であるポルシェ「928」とともに、ロサンゼルスの市街地を舞台とした熾烈なカーチェイスを展開する。

B級映画と称されることが多い作品だが、公開年にはファンタジー/スリラー/ホラー作品専用の国際映画祭「アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭」でもグランプリを獲得した「隠れた傑作」でもある。何より、1980年代カルチャーを沸々と感じさせてくれるヘヴィメタルと、同年代のV8フェラーリが演出するコラボレーションは、たとえカーマニアでなくとも魅力的なものと感じられるに違いないのである。

劇中車:フェラーリ「モンディアル」
フェラーリの2+2のグラントゥ。ミッドに308/328と同じエンジンを搭載する。1980年、ディーノ308GT4の後継モデルとしてデビューし、モンディアル8→モンディアル3.2→モンディアルtとマイナーチェンジを繰り返しながら1993年まで生産された。308の4座式という位置づけだったが、モンディアル以降、2+2のV8ミッドシップというレイアウトは廃されている。クーペとガブリオレのボディタイプが存在する。

『THE HIDDEN/ヒドゥン』
公開年:1987年
上映時間:95分
監督:ジャック・ショルダー
出演:カイル・マクラクラン、マイケル・ヌーリー、クリス・マルケイ

 

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