MTよりも安全運転のほうが大事
東京都内の大学に通う学生を対象にクルマに関する調査を行いました。今回は「男ならMT(マニュアル)車に乗るべき?」というアンケートに答えてもらいました。年代によって結果が変わりそうなこの調査ですが、その結果を見ていきましょう。
「男ならマニュアル」とは今でも耳にするうたい文句
普通自動車免許を取得する際には、MT免許、またはAT限定免許の2つから選ぶことができます。現代では特にAT限定免許の取得率が上がっており、内閣府の発表によれば、令和元年末の運転免許保有者数は約8216万人に対して、MT免許が32.4%、AT限定免許が67.6%という割合になっています。
これに加えて、日本で販売されている新車のうち、MT車はわずか約2%という数値となっており、世の中に出回っているクルマのほとんどが、圧倒的にAT車であることがわかります。
そんななか、特に若い男性が免許を取得する際に「男は黙ってマニュアル!」といううたい文句を耳にすることは、現代でも決して少なくはありません。
元来、自動車は全てMT車で、自らの手でギアチェンジを行うことが当たり前でした。しかし、より運転の手間を無くすといった利便性を追求したAT車の登場により、現在では完全に立場が逆転しています。
かつてはスポーツ走行などには、オートマチックの変速では追いつかないと言われる時代もあり、状況に応じてはマニュアルが好まれることもありましたが、それも近年では技術の進化により、コンピュータを介したオートマチックの方が優れている時代です。
そういった技術革新により、MT車は自動車愛好家の間で楽しむ、クルマ好きのためのもの、といったイメージへと世の中の風潮が変化していきました。
それでも、MT車で自らの手でギアを変速させる、機械と人間の融合というのは「男らしい」という潜在的なイメージからか、現代でも「男は黙ってマニュアル!」という意見を耳にします。
しかし、どれだけMT免許が男らしさを演出していても、肝心の受け取り手がそこに魅力を感じなければ、意味をなしません。