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鳥山 明デザインのEVが復活!「週刊少年ジャンプ」で紹介された「QVOLT」第1号車とはどんなクルマ?【マイクロカー図鑑】

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 近藤浩之

18年も倉庫で眠っていた個体をレスキュー

「発表当時から憧れていましたが、その価格と希少性から手に入れることは叶いませんでした。しかし思いを断ち切ることはできずに、18年も探し続けました」

と語るのはQVOLTの現オーナーである水口 雪さん。氏はこの他にも多数の原付カーなどを所有する「小さいクルマ・コレクター」で、本職は埼玉で動物病院を営む獣医師さんである。

そんな水口さんのQVOLTを追い求める熱意が天に通じたのか、9台生産された中の1台がほぼ新車状態で倉庫に眠っていることを知る。関係者と交渉を続けた結果、水口さんの「小さいクルマ・コレクター」としての熱意が認められ、現車が譲渡されたのである。

水口さんの手元にやってきたのはシャシーナンバー「1」。なんとQVOLTのカタログ撮影に使用された個体そのもので、ボンネットには「とりやまあきら」と直筆のサインも残されていた。

カタログ撮影に使われた第1号車が無事にナンバーを取得

「18年間も放置されていたのでバッテリーは全て使えず、各部も傷んでいましたが、こつこつレストアを行い2023年に入って無事ナンバーを取得しました。灯火類をLED化し、電圧計や盗難防止システムを追加した以外は当時のカタログに載った姿そのままです」

現在は機関好調で、近隣のイベントなどにも参加している。全生産台数9台のうち現時点で水口さんが把握しているのは6台とのこと。

「鳥山先生と集英社に1台ずつ、関東と中部に3台、そして自分のクルマと、6台まではその所在がわかっていますが、残りの3台が不明です。もしかしたら廃車となっているのかもしれません」

チョロQモーターズというチャレンジングなビジネスそのものは大成しなかったが、日本自動車史の傍流に確かな足跡を残した限定モデルQVOLTは、これからも水口さんの「小さいクルマ・コレクション」の中で一際輝き続けることだろう。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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