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「ドラム」か「ディスク」かでクルマの格や時代がわかる!? 今さら人には聞けないブレーキの基礎をお教えします

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: 神村 聖/曙ブレーキ工業/本田技研工業/AMW編集部

  • ディスクブレーキにも種類が存在する
  • R35GT-R(初期型)に標準のブレーキローター
  • スリット入りブレーキローター
  • ENDLESS Super Street M-sports PLUSのブレーキパッドとEスリット ブレーキローター
  • NSXのカーボンブレーキローター
  • ホンダのシビック タイプRのベンチレーテッドディスク
  • ドラムブレーキ
  • 赤いステッチが入るサイドブレーキ
  • サイドブレーキレバーのグリップ部はレザー巻きとなっている
  • 電磁式ではなくレバー式のサイドブレーキ

ブレーキの基礎知識を総まとめ

カタログに載っているスペックからはそのクルマの特徴や性能が見て取れることがある。エンジンスペックはその最たるものだろう。その他にも、クルマ好き、走り好きがよくチェックしたのがブレーキだ。最近ではディスクブレーキが実用車でも採用されていてありがたみが少ないものの、走りの性能=ブレーキ形式という図式もあって要チェックポイントだったりした。今回はそんなブレーキの基礎知識をお届けしよう。

ディスクブレーキ(ソリッド)

回転するディスクをキャリパーに付けられたパッドが挟んで止める、ディスクブレーキを知らない人はいないだろう。当たり前すぎると思うかもしれないが、1960年代以前は4輪ともドラムというクルマも珍しくなく、フロントだけでもディスク化されているのは豪華装備だったし、スポーツカー&スポーツグレードの証で、カタログでも大々的にうたっていたものだ。ただ、ディスクブレーキにも2タイプがあって、ただの鉄の円盤である、ソリッドタイプが当たり前の時代もあった。ちなみにハコスカですらソリッドだった。

ディスクブレーキ(ベンチレーテッド)

ディスクブレーキが普及してくると、さらに進化した形が登場。それがベンチレーテッドディスクで、現在、ディスクブレーキといえばこちらが主流となっている。もちろん登場時はかなり高性能で話題になったものだ。どういう構造なのかというと、2枚のディスクを張り合わせて、合わせ目が中空になっているのがソリッドとの大きな違い。ここを風が通ることで、ブレーキの大敵である熱を放出するのが高性能と呼ばれる所以だ。風の通り方で勘違いしている人がいるが、外側から内側に向かって通るのではなくて、遠心力で内側から外側に向かって流れている。

ドラムブレーキ

現在でもリアブレーキに使われているのがこちら。ドラムの内側にシューと呼ばれる摩擦材が入っていて、これが外側、つまりドラムの内側に押しつけられることで制動力を発揮させる。たとえればママチャリのフロントがディスク、リアがドラムとなる。

カタログによってはリーディングトレーリングと記載される場合もあって、意味としてはドラムとほぼ同じで、2つあるシューをそれぞれリーディングシュー、トレーリングシューと呼ぶことから来ている。ただし、大昔のクルマではシューがひとつしかないタイプもあって、ドラムブレーキ=リーディングトレーリングとは必ずしもならないので注意が必要だ。

肝心の制動力についてはドラムのほうがディスクブレーキよりも高く、回転に対してシューが巻き込まれるように効くセルフサーボ機能がその理由。ただドラムは効きの微調整がしにくいという欠点があるため、ディスクブレーキが普及しており、ディスクブレーキもサイズを大きくすればドラムと遜色ない効きは確保できる。また、正確な作動が必須の自動ブレーキなどの安全装備でもディスクのほうが上。コストは若干、ドラムのほうが安いのですぐになくなることはないだろうが、徐々に減っていくのは確実だろう。

サイドブレーキ

地味な存在のサイドブレーキはメーカーや車種によって異なる。リアで効かせるのは変わらず、そのうえで大きく分けると、一般のブレーキをサイドブレーキも利用するタイプと、さらにディスクブレーキながら、真ん中が小さなドラムブレーキになっていてここがサイドブレーキになっているものもある。前者のほうがシンプルに思えるが、調整などの問題で、結論が出ていないのが実際のところだ。

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