かつてルート66が通った「アメリカの宝石」
広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。イリノイ州シカゴから西に向かい、ミズーリ州、カンザス州、オクラホマ州、テキサス州を経て、今回はニューメキシコ州の州都でありアメリカ有数の観光都市、サンタフェにやって来ました。
アメリカ合衆国ができるより前の1610年に創設
ビリー・ザ・キッドが眠る街フォート・サムナーと、純白の砂漠が延々と広がるホワイトサンズ国立公園。ニューメキシコ南部の壮大な寄り道を終え、旅はいよいよルート66へと回帰する。目指すはニューメキシコ州の州都であり、アメリカの宝石と呼ばれる街サンタフェだ。
かつてはスペインとメキシコの領土だった時代があり、現在でも料理などさまざまな文化に当時の色を根強く残す。なお正式な名称は「ラ・ビヤ・レアル・デ・ラ・サンタ・フェ・デ・サン・フランシスコ・デ・アシス」で、日本語に訳せば「アッシジのフランチェスコの聖なる信仰に忠実な王都」となる。
またサンタフェは歴史の古さでもよく知られており、創設はアメリカ合衆国ができるより前の1610年。独立宣言からじつに166年も昔なのだ。ルート66ができる以前から交通の要衝として大いに繁栄しており、西部開拓ルートのひとつでサンタフェ・トレイルの起点でもあった。
1926年に完成したルート66も当然のようにここを通過したが、1937年にニューメキシコ州で大きなルート変更が行なわれる。以前はサンタ・ローザから北へ迂回しラスベガス(カジノで有名な街とは違う)などを経由し、サンタフェに到達してから再びアルバカーキへ南下するというルートを採用していたが、1937年からはサンタ・ローザからアルバカーキへまっすぐ入るように改められた。