美しい街並みにアートが栄える文化都市
ルート66に依存した街ならその影響で過疎化が進み、ゴーストタウン化してしまっても不思議じゃない。しかしサンタフェは今もアメリカで屈指の観光都市として栄え、リタイア後の移住先としても高い人気を誇っているようだ。
大きな理由は美しい街並みを筆頭とする独自の文化だろう。日本にもある景観の保護を目的に建物の色や高さなどを規制する条例と同じで、サンタフェの建築物はプエブロ様式を採用するように条例で定められており、仮に木造やコンクリート造でも外壁はピンクやブラウンの漆喰が塗られている。
またサンタフェは芸術の街としても非常に有名で、美術館や博物館が集まったミュージアム・ヒルや、小さなギャラリーが軒を連ねるキャニオン・ロード、さらに駅の周辺では民族工芸品のマーケットが頻繁に開催。
1500年代にこの一帯を征服したスペイン人が先住民を強制的にキリスト教へ改宗させた影響で、1610年に建てられた聖フランシス大聖堂など古い教会が多くあるのも特徴だ。
世界中から多くの観光客が訪れるのはロレット・チャペル。1878年に建設と歴史こそ他の教会ほど長くはないものの、通称「奇跡の階段」と呼ばれる高さ6.7mの螺旋階段がある。支柱が存在しないうえ鉄製のクギや接着剤が用いておらず、材料もこのエリアには存在しない種類の木なんだとか。木材の重さや人が上り下りする際の負荷は床面だけが受けており、当時の技術と道具でこのような階段を作るのは不可能だという。実際のところカラクリはほぼ解明されているが、それを声高に言うのは野暮ってもんだろう。高度かつ貴重な建築であることは確かだし、奇跡は奇跡のままにしておくのが正解だと思う。
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ごく短い間しかルート66が通っていなかったサンタフェ、迂回して立ち寄るには距離がそこそこ遠いことに加え、見どころが多いだけに数時間の滞在じゃ消化不良なこと確実。スケジュールに余裕があれば1泊してアメリカ合衆国ができる前からの歴史やアート、先住民とメキシコとスペインとアメリカなどがミックスされた独特の料理などを楽しんでほしい。
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