サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

ベントレー「ブロワージュニア」がEVになって蘇る! 最初のミッションはクリスマスツリーを運ぶことでした

航続距離は104km(大人2人がタンデムで乗車可能)と予想されている

ブロワージュニアの耐久性試験を開始

ベントレーは英国のザ・リトルカーカンパニーとコラボレーションして1929年製「4.5リッター ブロワー」の現車の85%スケールのEVモデル、「ベントレー ブロワージュニア」の製作を発表。来年2024年の量産に向けてこのクルマの耐久試験が始まった。このブロワージュニアとはどのようなクルマなのだろうか。

ブロワージュニアとは?

ブロワージュニアは英国のザ・リトルカーカンパニー社との共同開発によって生産されるEVモデルである。オリジナルの1929年製4.5リッターブロワーの85%のサイズで、まずは2024年第2四半期に99台の「ファーストエディション」が製造される予定である。

このクルマは15kW(20bhp)のモーターを搭載した48V電動パワートレインで構成されており、英国およびEUでの最高速度は時速72km/h(米国では法律により時時速40km/h)、航続距離は104km(大人2人がタンデムで乗車可能)と予想されている。

ベントレー ブロワージュニアは、700個を超えるパーツから構成され、本物の素材を使ってすべて手作業で製作されている。ボディワークは2つのセクションで構成され、リアボディ構造はアッシュフレームではなくカーボンファイバー製だが、オリジナルと同様にウェイマン工法のタールの含浸布で覆われる。複数の冷却ルーバーを備えたボンネットは、伝統的な技術を駆使してアルミニウムで手作りされ、美しいレザーのバックル付きボンネットストラップで固定されているのもオリジナルに倣ったものだ。

リーフスプリングとスケールダウンされた当時のフリクションダンパーを使用した本格的な仕様のシャシーが採用されており、フロントにはブレンボ製ブレーキ、リアにはドラムブレーキが装備され、必要な制動力が確保されている。電気モーターはリアアクスルに搭載し、バッテリーや駆動電子機器はすべて隠れたアンダートレイ内に収められている。

量産に向けた耐久試験の開始

この伝説的なクルマを現代に蘇らせ、EUのL7e型式認証に向けた公道での合法性を確保するためには、ライト、シートベルト、保安基準を満たさない突起物の削減といった課題がある。そして今後5台の「実験車」のベントレー ブロワージュニアが3大陸に渡り、5000マイル(約8000km)を超える耐久性試験を実施する予定だ。

まず実走行実験の手始めにこのクルマはスイスに送られた。このプロジェクトの最初のミッションはクリスマスツリーを運ぶこと。

その様子がムービーに納められているのでお楽しみ頂きたい。

AMWノミカタ
英国人はまったくもっておもしろい。本物のブロワーはその大きさや、クラシックカーに関する知識、経験の不足や、なによりも金額的な問題から所有できる人は限られてしまうが、このブロワージュニアならそれらの問題は解決できる。(販売価格は不明だが)

伝統に敬意を払い、オリジナルに忠実に作られた最新のEVモデルは洒落のわかる富裕層の恰好の遊び道具になるに違いない。英国、EU、アメリカでの公道走行は可能とのことだが、日本でこのモデルが走る姿も見てみたいものだ。

【動画】クリスマスツリーを「ブロワージュニア」が運ぶ!

モバイルバージョンを終了