海外にもETCと同じシステムが
ドイツ在住でモータースポーツをメインに取材する池ノ内みどりさん。愛車のBMW「M240i xDriveカブリオレ」で東奔西走しています。取材のために訪れたイタリアで、便利と思うシステムを体感したそう。日本にも導入が進んでほしいというシステムとは?
イタリアでは料金所のエラーなどトラブルも多い
前回に引き続き、今年のイタリアドライブの話題にお付き合いください。ドイツの高速道路アウトバーンの自家用車走行は無料なので、料金所はないのですよ。入口や出口を間違えたとしても、次で降りて反対方向に乗れば良いだけです。しかし、イタリアやフランスには日本と同じような料金所があり、現金・カード、ETCで支払いをして通過をします。
最近は随分と「マシ」にはなりましたが、過去には現金を丁度入れたにも関わらず、現金が入っていないと表示されてもう1回入れるハメになったり、お釣りや領収書が出ない、カードが反応しなかったり、といったトラブルに何度も遭遇しました。領収書がないと、私のようなフリーランサーは経費計上できないため大変困ります。
イタリアはそんなにしょっちゅう行くワケではありませんが、思い切ってETCを取り付けることにしたのです。同じシステムを使用するイタリア・フランス・スペイン・ポルトガルで利用できるので便利です。
ル・マン24時間レースなどで、フランスにも必ず年に1回は行きますので助かっています。ちなみにフランスもイタリア同様のトラブルに何度も遭っています(苦笑)。
普通乗用車やSUVタイプなら全く問題はないのでしょうが、私の愛車は車高が元から低いうえに、イタリアやフランスのインターチェンジのチケットを取るところや現金やカードの投入口が高く、なかなか届きにくい所もあるのです。私自身は日本人女性としては背が高い方なのですが、それでもキツいので、ADAC(ドイツ自動車連盟)からこのETC(テレパス)が発売された時には迷わず申し込みました。
利用料は高くても払う価値あり!
最初の機種代、年間利用料、毎回の利用料+手数料は、現金やカードで支払うよりも割高ですが、あの恐怖なしに通過できるのなら少しくらいの割高な金額は喜んでお支払いします(笑)。それ以外にも、イタリアやフランスの方は外国ナンバーのクルマにも容赦なしで「早くしろ!」と言わんばかりにクラクションを鳴らしまくられることも(汗)。それでまた焦ったり……。
ただ、日本のETCと違って料金の表示がないのです。また、「料金は〇〇円です」という機械のアナウンスさえありません。まぁ、たとえアナウンスがあったとしても全く理解できないですけどね(笑)。1カ月半程後に送られてくる明細を見て、結構高くてビックリすることも多々ありますが。
このETCの機械は、高速道路の料金所だけで有効というのではなく、非常に便利なことにも使えるのを今回のイタリア旅で気が付きました。通常は駐車場の入口でチケットを取って、帰りに精算機でお金を支払います。
ですが、イタリアの一部の駐車場では、ETCで読み取ってくれて勝手にカードから引き落としてくれるので、非常に便利で感動してしまいました。ドイツは高速道路が無料なので当然ETCなど不要ですから、こんな画期的なシステムはありません。イタリア人、素晴らしい! こんな時だけ、煽られまくられたことなんてすっかり忘れてしまいます(笑)。