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珍車・迷車が目白押し!「6輪スーパーカー」にルイジ・コラーニのコンセプトカーなどヘンなクルマを紹介します

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 武田公実

  • 約70年前のイタリアでは「シューズカー」と呼ばれ、非常に有名だったという1台
  • ボロボロに朽ちかけていたところを数年前に救出され、フルレストアが施されたとのこと
  • エンジンは2ストロークの空冷2重星形16気筒4Lで、スーパーチャージャーを組み合わせて250psをマークする
  • ボディは大幅に省略され、前後にはカーボンファイバー製(カーボン風?)のウイングを装着していたランボルギーニのトラクター
  • 誰かが入手して、レストアを施すことに期待したい……ルイジ・コラーニが製作したコンセプトカー
  • 2004年から2016年にかけてイタリアで一定数が製造されたという「コヴィーニC6W」
  • トリノの「国立自動車博物館」の特別展示が行われていたが、そこで出くわしたのが伝説の「モナコ・トロッシ」
  • 鬼才デザイナー、ルイジ・コラーニが製作したコンセプトカー

イタリアのカーショーで、イタリアの奇想天外なクルマたちと遭遇

筆者が世界のクラシックカーショーを訪れる楽しみのひとつは、「ナニコレ?」といいたくなるような、奇想天外な珍車に遭遇できること。パリの「レトロモビル」ではフランス車。「テクノクラシカ・エッセン」ではドイツ車。「NECクラシックカーショー」では英国車。そしてパシフィコ横浜の「ノスタルジック2デイズ」では、日本ならではの珍車に出逢うことがしばしばある。2023年の10月26~29日、筆者はイタリア・ボローニャで開催された「アウト・エ・モト・デポカ(Auto e Moto d’Epoca)2023」を訪ねたのだが、ここで出会ったイタリアの珍車たちも、なかなか個性キツめであった。

星型エンジンのグランプリマシン

会場であるボローニャ・フィエラのエントランスを抜けた場所にある大型スペースでは、トリノの「国立自動車博物館(通称MAUTO)」の特別展示が行われていたが、そこで出くわしたのが伝説の「モナコ・トロッシ」。

1930年代のイタリアを代表するジェントルマンレーサー、カルロ・フェリーチェ・トロッシ伯爵と、エンジニアのアウグスト・モナコによって設計された革新的なコンセプトを特徴とするレースカーである。

現代のF1GPに相当するA.I.A.C.R.750kgフォーミュラに応じて開発され、1935年のイタリア・グランプリ出場権をかけたトライアルでテストされたこのマシンは、同時代の戦闘機のような車体構造とスタイリングも斬新だったが、なにより注目すべきは、空冷星形エンジンで前輪を駆動するパワートレインである。

エンジンは2ストロークの空冷2重星形16気筒4Lで、スーパーチャージャーを組み合わせて250psをマーク。トライアルのコースであるモンツァ・サーキットでは、240km/h以上の平均速度をマークした。

しかし、車両前端に巨大なエンジンを置くトリッキーな操縦性は、カルロ・フェリーチェ・トロッシのような腕利きのレーシングドライバーにとってさえも乗りこなすのは難しかったようで、イタリアGPのテストステージには不合格。このプロトタイプが製作されたのみに留まったという。

ルイジ・コラーニのコンセプトカー

アウト・エ・モト・デポカ屋外の展示スペースで発見したのは、鬼才デザイナー、ルイジ・コラーニが製作したコンセプトカーのひとつ。

1950年代から工業デザインの分野で多くの作品を手がけていたコラーニだが、そのキャリアのスタートは自動車デザインであり、自身のデザインオフィスを立ち上げてからも驚くべきペースで数多くのコンセプトカーを発表し続けていた。それらの作品は、1980年代に日本企業とのコラボで発売された「チョロQルイジ・コラーニ」にも反映されている。

今回発見した個体も、コラーニのコンセプトカーのひとつ。現在はボロボロの状態で、エンジンやトランスミッションなどは失われており、メカニカルコンポーネンツの供給源であるベース車両も不明なのだが、調べてみるとどうやら1989年および1992年に速度記録チャレンジを行ったレコードブレーカーである可能性が高いようだ。

1000psを発揮する米フォードの7L・V8エンジンを搭載し、407km/hの最高速度を記録したというが、現在では見る影もない。誰かが入手して、レストアを施すことに期待したい。

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