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ポルシェ「カレラカップ」が電動化!? 1088馬力の「GT4 eパフォーマンス」はすでに「911 GT3」と同等以上の速さでした

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TEXT: 藤野太一(FUJINO Taichi)  PHOTO: ポルシェジャパン

  • 前後に1基ずつ備わるモーターのトルクは、前後左右で配分を変更することができる
  • 前後2基のモーターで4輪を駆動。80kWhのバッテリーは車体前後と助手席の足元に積まれる
  • ベースの718ケイマンGT4 RSクラブスポーツより全幅が14cm拡大している
  • スワンネック型のリアウイングや横一直線のコンビネーションランプなどは、最新のポルシェモデルらしい意匠
  • 車内は完全にレーシングカーの仕様となっている
  • 千葉県木更津市のポルシェ エクスペリエンスセンター東京でお披露目された
  • カスタマーレーシング部門のマネージャーであるオリバー・シュワブ氏
  • 同乗走行のドライバーは、ポルシェのワークスドライバーであり開発ドライバーも務めるマルコ・ゼーフリート氏
  • 718ケイマンGT4 RS クラブスポーツをベースとした電動レーシングカーの、世界に2台だけのプロトタイプ
  • レーシングカーらしい運転席まわり。911 GT3 Rなどと同様のステアリングが備わっている
  • 最大30分と規定されたカレラカップと同等時間のレースで、911 GT3カップと同等のタイムで走行する性能をもつという

ポルシェのカスタマーレーシングの将来を占う電動レーシングカー「GT4 eパフォーマンス」が日本上陸

電動化を推進するポルシェの電動レーシングカー「GT4 eパフォーマンス」のプロトタイプが日本に初上陸しました。DNAでもあるレースにおいても電動化を進めるポルシェ、この電動レーシングカーは将来的なポルシェのカスタマーレーシングを占うモデルとなります。

最高出力1088馬力の電動レーシングカー

2023年10月中旬、ポルシェ エクスペリエンスセンター東京(以下PEC東京)開業2周年を記念し、電動レーシングカー「GT4 eパフォーマンス」が日本に初上陸した。

ポルシェはいま、2030年までに80%超の市販車を内燃機関から電気自動車へとスイッチしていく目標を掲げている。「タイカン」に続いて、2024年にはポルシェの電気自動車の第2弾となる次期型「マカン」の発表が予定されており、続いて次期型の「718ケイマン/ボクスター」をBEVにすると公表している。

この電動化戦略にともないカスタマーレーシングにおいても電動化を図っていくというわけだ。ポルシェの歴史においてモータースポーツは切っても切り離せないものだ。ファクトリーレーシングとしてWEC(世界耐久選手権)やフォーミュラEに参戦するのをはじめ、顧客にレースカーを販売し、サポートを行うカスタマーレーシングというビジネスモデルを構築した先駆的存在でもある。

その代表格が「911カレラ」のレーシングバージョン(通称カップカー)で競われる「世界最速のワンメインクレース」、ポルシェ「カレラカップ」。30年以上の歴史があり、現在世界10カ国以上で開催されている。日本でも2001年にカレラカップジャパン(PCCJ)がスタートし、今年で23シーズン目を数える人気ぶりだ。

GT4 eパフォーマンスは、将来的なポルシェのカスタマーレーシングを占う電動レーシングカーだ。2021年に公開された「ミッションRコンセプト」と、電気モーターやバッテリー技術など多くのコンポーネントを共有。専用のオイルクーリングシステムを備え前後2基のモーターで4輪を駆動し、最高出力は1088psを発揮する。まだプロトタイプゆえ電気自動車の専用設計ではなく、「ケイマンGT4 RSクラブスポーツ」のシャシーを利用し、80kWhのバッテリーをフロント、助手席、リアの3分割で搭載する。ステアリングに備わるパドルは回生ブレーキのレベル調整ではなく、トルク配分を行うものだ。

またタイヤはカレラカップなどで20年以上にわたってパートナーを組むミシュランがこのクルマのために開発した電動レーシングカー専用のスリックタイヤ。使用済タイヤのリサイクル材などを53%使用しながら、グリップや耐久性など従来品以上の性能を実現する。将来的にはこのワンメイクレース用のタイヤとして採用される見込みだ。

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