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日産「スカイラインNISMO」をさらにパワーアップするNISMOの専用開発パーツとは? サーキットで実力を体感【デモカー試乗】

1000台限定のスカイラインNISMOをベースにした、NISMOスポーツパーツ装着車に試乗

1000台限定のスポーツセダン、スカイラインNISMO

2023年9月に1000台限定で発売された日産「スカイラインNISMO」。それをさらに痛快に仕上げるチューニングパーツをNISMOが提案している。NISMO渾身のチューンド・スカイラインの試乗レポートをお送りしよう。

NISMO自らの手でさらにパフォーマンスアップ

スカイラインNISMOは、「スカイライン400R」をベースにさらにNISMOがチューニングを施した1000台限定のスペシャルモデル。400Rでは最高出力405ps/最大トルク48.4kgmというスペックを誇ったが、NISMOのGT500に携わるエンジニアがさらにチューニングを施したことで420ps/56.1kgmという途方もないスペックを獲得し、ハイパフォーマンスセダンとして仕上げられている。

じつは、そのスカイラインNISMOのための専用チューニングパーツをNISMOがラインアップしている。それらのパーツを装着したのが今回試乗したデモカーだ。装着パーツは車高調整式サスペンション、機械式LSD、チタンマフラー、ブレーキパッドとアルミホイールといった具合。

しなやかでハイレベルな乗り心地の車高調

まずはサスペンション。レース用からストリート用まで高い評価を得るオーリンズ製をベースに開発されているが、その乗り味はいわゆるサーキット向け車高調とはまったく異なる。純正サスペンションの延長線上にあるようなゆったりとしたストロークとしなやかさを併せ持つ。

そのしなやかさが素晴らしい。高精度なオーリンズ製をベースとすることで抵抗感なく、減衰力が繊細に出ていてクルマの動きを気持ちよく抑えてくれる。純正サスペンションのグレードアップ版といったイメージだ。車高調だが乗り心地の硬さは一切なく、じわっと段差やうねりを吸収してくれる感覚となっている。ミニサーキットを走行した場合は、サーキット向けのサスペンションではないのでソリッドな動きはないが、底付き感はなく懐の深い走りで楽しめる。

車高はインテリジェントFCWなど先進運転支援技術への影響がないことを確認して10mmダウンに設計。車高を下げるというよりも、よりハイレベルな乗り心地を手に入れることができるといったイメージだ。

普段は静かに、ここぞという所でしっかり効くLSD

そしてLSDは機械式。メタルディスクを用いた機械式LSDというと、バキバキとした作動音と交差点の右左折などでの曲がりにくさなどを想像する方もおられるかと思うが、まったくそういった感じはない。ON側もOFF側も20°という緩めのカム角をチョイス。LSDがバキンッと作動することはなく、じわっと効いてくれるイメージだ。イニシャルトルクも高くないので街乗りや交差点の右左折ではLSDの装着が気になる感じもない。しかし、本格的にサーキットを攻めていくとしっかりとリアタイヤに駆動力をかけつつ、スライドまでを楽しむことができるのだ。

LSDは弱ければいいというものでもなく、イニシャルトルクを下げるほどに作動時との差が大きくなって、唐突に効く感じを受ける場合もある。しかし、このLSDではイニシャルトルクは低め、カム角も弱めだが効きに唐突感がなくしっかりとトラクションを楽しむことができた。

マフラーとホイールで25キロ以上もの軽量化

マフラーとホイールはそのパフォーマンスはもちろんだが、軽量化パーツとしての効果も大きい。マフラーで10.6kg、ホイールで15kgの軽量化が可能で、合計25kg以上も軽くできる。しかもバネ下のホイールと、リアオーバーハングのマフラーなのでその効果は数値以上に大きいわけである。

ベース車となるスカイラインNISMOがすでに完売なのが残念なところではあるが、「GT-Rまではいらない。RZ34もヤンチャすぎるし普段使いに支障がある。やっぱりセダンに乗りたいけれど、走りの日産に乗っていることは忘れたくない」という、昭和平成令和と駆け抜けてきた大人にベストマッチな、過激なスポーツセダンとして仕上げられていた。

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