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18台限定の日産「GT−R 50byイタルデザイン」が絶賛買い手募集中! 走行距離190キロの工場出荷時状態の奇跡の1台です

流札となった日産「GT−R 50byイタルデザイン」(C)Courtesy of RM Sotheby's

走行距離はわずか190kmの極上モデル

日産「GT-R50 by イタルデザイン」。それはGT-Rの生誕50周年と、ジョルジョット・ジウジアーロによって設立されたカロッツェリア、イタルデザインの創業50周年を記念したコラボレーションによって誕生した限定車だ。

18台のみの限定モデル

当初の計画によれば、それは50台の限定車として世界各国で販売される予定だったのだが、99万ユーロという価格や(日本市場での価格はベースとなったGT-R NISMOが約2500万円だったのに対して、1億4530万5600円という高額なものだった)世界的なパンデミックの影響で、実際に生産されたのは18台のみとされている。結果その希少価値は、ますます上がることになった。

イタルデザインによるコーチワークは、これまでの数多くの作品がそうであるように、非常に魅力的な造形にまとめられている。ルーフラインは54mm下げられ、ボンネットのパワーバルジはさらに拡大。より薄く、アグレッシブなスタイルのLEDヘッドライトはフロントフェンダーにまで回り込む実にスタイリッシュなデザインだ。プロトタイプ時にはゴールドでペイントされていた特徴的なフロントマスクはブラックに配色が変わり、よりスパルタンな印象を与えている。

前後のタイヤはミシュラン製。その後方のボトム部にあるエアロデバイスには、GT-R50 by イタルデザインのロゴがあしらわれ、鮮やかなRの文字、ゴールドの50の文字は特にその存在が目立つ。左右のドアミラーは、法規に対応するため斬新なプロトタイプ時のそれから、オーソドックスな形状に改められた。リアの油圧式可変ウイングは580万円強のオプション装備だが、18台の生産車すべてがそれを選択したと記録には残されている。

プライベート・セールスで販売を継続中

このスペシャルメイドのボディの下には、このモデルに専用の特別な改良が施されたメカニズムが包み込まれている。「匠」と呼ばれる熟練した一流のメカニックによって組み立てられるエンジンは、3.8LのV型6気筒ツインターボで、新しい燃料インジェクター、改良型のピストン、再設計されたエグゾーストシステム、それにGT3マシンから継承された大型ターボチャージャーとインタークーラーなどが新たに組み合わされ、注目の最高出力は710ps、最大トルクは780Nmを得るに至った。

トランスミッションは6速のデュアルクラッチ・パドルシフト・ギアボックス。駆動方式はリアミッドに搭載された6速ミッションにトルクチューブを介して動力を伝え、必要時には前輪側にもトルクを送る4WDとなっている。

シャシーももちろんこのパワーアップに対応して強化されている。ビルシュタイン製のDampTronicアジャスタブル・ダンパーが採用されたほか、フロントとリアにはそれぞれ6ピストンと4ピストンのブレンボ製ブレーキキャリパーを装備。足元は19インチのアロイ・ホイールで、そのデザインも未来的なGT-R50 by イタルデザインのエクステリアに良くマッチしている。

出品車両は11番目のモデル

今回RMサザビーズのミュンヘン・オークションに出品されたのは、18台が生産された中の11番目のモデル。オプションのリキッド・シルバー・メタリックに、ニスモ・レッドのアクセントが施され、さらにオプションの油圧式可変ウイングも、もちろん装備されている。2021年に生産されて以来、空調管理されている保管庫に保管され、その後最新鋭の保管施設で一度もカスタマーに引き渡されたことがないこのモデルは、まったくのショールーム・コンディション。走行距離は工場出荷時の119マイル(約190km)のままであった。

今回のミュンヘン・オークションでは95万〜115万ユーロ(1億5485万円〜1億8745万円)の予想落札価格が提示されていた日産GT-R50 by イタルデザイン。残念ながらオークションではその買い手が決まることはなかった。ちなみに同車は現在でもRMサザビーズのプライベート・セールスで販売を継続中。究極のGT-Rを狙うカスタマーは、世界中に存在することは間違いない。

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