ナチュラルな、ガソリンエンジン車に近いドライブフィール
それでは実際の走りはどうか。残念ながら試乗が実現したドイツは、すでにスタッドレスタイヤの装着義務期間に入っており、コーナリングなどその真の実力を体験するというわけにはいかなかった。だが、286psの最高出力と545Nmの最大トルクを発揮する、リアに搭載されるエレクトリックモーターが演出する加速感は決して物足りなさを感じさせるものではなく、比較的ナチュラルな、ガソリンエンジン車に近いフィールを感じさせてくれたのが印象的だった。
参考までに今回試乗したID.7 Proバージョンが搭載するバッテリー容量は77kWh。0-100km/h加速は6.5秒、最高速は180km/h、また航続距離は603~621kmと発表されている。ブレーキは回生機能を持つが、強めの回生が入るBレンジでも、実際の制動力はさほど大きなものではなかった。
ステアリングやサスペンションの動きを含め、VWはどうやらこのID.7をBEVとしての違和感をできるだけ抱かせないモデルとして開発してきたようだ。乗り心地や操縦性には、そう確信させるだけのポジティブなフィーリングがつねに表れていた。