ついにスーパーカーメーカーが参入
イタリアからも続々と魅力的なプレミアムSUVが登場している。2012年に開催された北京モーターショーでのコンセプトカーの発表から5年、2017年に待望の生産型が発表されたのは、ランボルギーニ自身はSSUV(スーパースポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)と呼ぶ「ウルス」。
デビュー時に搭載されたエンジンは、4LのV型8気筒ツインターボで、その最高出力は650psである。最高速の305km/hは当時SUVの中では最速の数字だった。ちなみにこのウルスは、2023年から「S」と「ペルフォルマンテ」の2モデル展開だが、2024年後半からはPHEV仕様のみが販売される計画となっている。
このランボルギーニにやや遅れて、2022年にフェラーリから発表されたのが、SUVならぬ「4ドアスポーツ」の「プロサングエ」だ。6.5Lの自然吸気V型12気筒エンジンを715psの最高出力で搭載する4WDモデルのプロサングエの最高速は310km/h。後部ドアを逆ヒンジとし、さらに電動開閉式とするなど4ドアモデルとしての実用性を深く追及している点も見逃せない。
2016年に「レヴァンテ」、続いて2022年には「グレカーレ」と、いずれもスタイリッシュで官能的なSUVを作り上げてきたマセラティも見逃せないイタリアン・ブランドだ。
最高峰を極めたショーファードリブンのSUVが登場
ドイツ・ブランドも、魅力的なプレミアムSUVを投じることには積極的だ。その理由は前でも書いたとおりプレミアムSUVは、最大の輸出市場であるアメリカでの成功を左右する重要な商品であるからだ。
2019年に発売された「X7」は、BMWにとって史上最大となるフラッグシップSUV。M社専売モデルの「XM」も、同社の最先端技術とそれが生み出す走りを楽しむには最適な一台だ。
BMWアルピナの「XB7」の乗り味も、まさに体験の価値あり。今後BMWに統合されるアルピナは、その将来像がいまだに見えてないだけに、純粋なアルピナ車の存在はこれからますます貴重なものになるだろう。
メルセデス・マイバッハの「GLS」も同様に、ショーファードリブンによる快適な移動空間としては、世界の最高水準を極めた一台といえる。
21世紀を迎え、続々とその勢力を伸ばしてきたプレミアムSUV。もちろんこの日本にもライバルと対等に戦えるモデルは数多く存在するのは間違いないし、今回紹介したモデルのほとんどは日本への正規輸入が行われている。ぜひ一度その世界を体験してみてほしい。