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山小屋に侵入するカメムシ対策の最後の手段! 掃除機で吸い取るのは絶対やってはいけません【おとなの山遊びVol.21】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

  • 対策品
  • 【閲覧注意】ここ10年くらい放置されていたログハウスは、窓から床からロフトまで膨大な数のカメムシで埋め尽くされている
  • 救世主が到着。自治体から仕事として請け負っているだけあり、装備もノウハウも完全にプロだ。コレは秋の恒例行事にしたい
  • 薬剤そのものは大した価格ではない。敷地すべてを手作業で噴霧するのは難しいが、エンジンポンプなら水汲みを含めて3時間だ
  • 薬剤の種類や駆除したい虫、使用する時期によって濃度が変わる。万が一の健康被害を防ぐためにもメーカー推奨値で使いたい
  • 余談だがついに発電機が役立った。インバーター内蔵ではないため用途が限られ、引き取ってから約9カ月目にしてのデビュー
  • 発電機で汲み上げポンプを動かす。数日前にそれなりの雨が降ったようで、今年は枯れることもある沢は豊富な水を湛えていた
  • タンクに水を溜めて薬剤を投入し混ぜると白濁化。散布はプロにお任せし自分たちは薬剤が飛んでこない場所でじっと待機する
  • 防護のためカッパを着て長靴を履き、ゴム手袋にマスクにゴーグルも装備。かなりの圧力がかかるようで木のてっぺんまで届く
  • ホームセンターや通販で手に入れた対策グッズの数々。一般的な虫除けではシトロネラキャンドルがそこそこ効果があるようだ

快適な山小屋遊びの天敵が現れる季節に……

夏の暑さが過ぎ去ったと思いきや、11月初旬は秋を飛び越したかのような肌寒さ。確かに過ごしやすく快適な季節なのだが、毎年のように頭を悩ませる問題もある。それは大量に発生するカメムシだ。

最適な駆除の方法とは?

刺すことも噛むこともなく毒もない小さな虫。しかし刺激を受けたときに分泌する匂いは、強烈そのもので不快だなんてレベルではない。外気温が下がると越冬のため屋内へ入ってくることが多く、迂闊に追い払ったりしようものなら大惨事を招いてしまう。

カメムシは針葉樹の多い雑木林を好んで生息するとのことで、杉がほとんどであるわれわれの秘密基地はパラダイスなはず。例年だと9月の下旬から姿を見かけ始め、もっとも盛んに活動するのは10月の中旬だ。いま使っている山小屋は建ててから3年ほどで隙間もほとんどなく、ドアを開けたときくらいしか入り込む余地はないように思えるが、実際は2mm程度の隙間があれば易々と侵入してしまうらしい。

この季節は山小屋に入るとサッシの隙間にいるカメムシを、匂いを放つ前にテープで包んで捨てるのがルーティーン。それでも家具の隙間などに隠れているのを駆除するのは難しく、見つけるたびビビりながら対応するイタチごっこが続いていた。窓枠などに塗る忌避と殺虫を兼ねた薬剤や、ハッカの香りがするカメムシ除けを使っても、数が多すぎて効果を体感できないのが実情。そこで今年は公共施設の害虫駆除を仕事にしている知人の協力で、業務用の殺虫剤を散布し個体数を減らしてみようと考えたのだ。

モチロン1年や2年で劇的に減るとは思えないし、どれだけ時間をかけてもゼロにできるはずはない。それでも今よりあの匂いを嗅がせられる回数が減り、安心して山小屋ライフを送れるようになるならば、ちょっとの手間や出費を惜しむ理由はないだろう。

掃除機で吸い込むのだけは絶対にNG

というワケで薬剤を含む道具は知人に丸投げし、沢から水を汲み上げて指定の倍数まで希釈し、適量を敷地の隅々まで噴霧してもらった。それから約2週間が経過。やはり山小屋のなかで見かけるものの、昨年よりは心なしか減った気はする。外壁にくっついているカメムシは少ないような気がするし、来年そして再来年と続ければさらに効果が現れると思いたい。

薬の散布

上で書いた残留するタイプの薬剤も間違いなく効いており、ドアや窓の付近にはカメムシの死骸がいくつも転がっている。ま、こういった悩みもキャンプ場と違う手付かずの自然ならではだ。油断することなくそして諦めることなく、快適な秘密基地を目指して対策を続けたい。

なおインターネットで駆除の方法を調べてみたところ、テープで貼って丸めて捨てるのは王道中の王道の模様。他はペットボトルに食器用の洗剤を入れた捕獲機、ティッシュでふわりと覆って外へ逃すなどがある。

イチバンやってはいけないのが掃除機。コレは自分も経験しており触らずに片付けられるのはいいが、生きていれば間違いなく排気口からあの匂いが噴出される。屋内ではしばらく換気しないとなかなか薄まらず、その隙に別のカメムシが侵入すえる危険性もあるので、掃除機で吸い込むのだけは絶対にやめたほうがいい。

なおカメムシには万能と思われた『パワー森林香』も効果がなく、汎用の殺虫剤ではすぐに死なず匂いを放たれる危険性があるので注意。カメムシ用と謳った殺虫剤なら効き目はケタ違いだし、強烈な悪臭を中和させる成分を配合した製品も存在する。カメムシは市街地に出没することも珍しくないため、心配な人は自宅に何かしらの対策グッズを常備しよう。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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