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ケン・ブロック仕様のフォード「フィエスタ」を個人輸入で作った!「できれば本人に見て欲しかった」というこだわりの作り込みとは?

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(ガスグラフィックス)

  • ワイドボディキットを装着したため、雰囲気はWRCのレースカーそのもの
  • コンパクトなフィエスタが、存在感ある後ろ姿へと変貌している
  • カラーリングは、ケン・ブロックが2020年に参加したエレクトリックラリークロス用に開発されたEVフィエスタがモチーフ
  • ケン・ブロックは、2020年のこのカラーリングをフォードエスコートRSにも流用し、同年のWRCメキシコ大会にも参戦している
  • このカラーリングの車両が、日本の公道を走っていると想像するとファンならずとも胸が熱くなるだろう
  • 5ドアではなく3ドアだからこそ実現したレーシーな雰囲気は、会場で一番目立っていた
  • タイヤはプロクセスで、215/40-18インチを装着。HOONIGANの車両はfifteen52(フィフティーンフィフティツー)のホイール装着率が高いが、ヒロさんはOZレーシングのスーパーツーリスモWRCを選んだ
  • 入手に苦労したというエアインテーク。日本への輸出実績もほぼないだろうから、メーカーが販売を拒否するのも分からなくはない?!
  • 迫力のリアウイングのデザインからも、ベースの商品はWRC参戦車用の商品であると思われる
  • スポンサーステッカーは、実際にヒロさんが使用しているパーツに合わせて、しっかりとアレンジされている
  • ロールケージ装着といった改造はせずに、内装はノーマルのまま。「フェンダーなどは切り刻んでいますが、日常使いも考えてベース車の良さはそのまま残したいんです」というのがヒロさんのスタイル
  • 2017年型フォード「フィエスタST」とオーナーのヒロさん。ファッションからも、ケン・ブロック愛が溢れている
  • リアもワイドボディキットにより存在感抜群
  • ボディキットは、ノーマルボディの一部をカットする必要がある。「できるだけノーマル状態を維持したい」というヒロさんだが、本物に近いディティール追求のため、外装は迷うことなくカットしてもらったそうだ

ケン・ブロックよ、永遠なれ!! 

2023年12月9日に、福岡県北九州市にあるひびき海の公園で開催された「TOYO TIRES FAN MEETING IN FUKUOKA」の会場内に、1台のレースマシンが展示されていた。そのカラーリングは、ジムカーナという競技をパフォーマンスとしてショーアップし、世界的人気ドライバーの仲間入りをしたケン・ブロックの愛車そのもの。これが、TOYO TIRESのメインステージブース横ならば、本物が展示されていても理解できるのだが、見かけた場所はコンテストエントリーに応募した参加者の皆さんの展示スペース。しかも、この車両は日本未発売の3ドアのフォード「フィエスタ」だ。一体この車両の正体とは!?

車両輸入から始まった、敬愛するケン・ブロック仕様

芝生の展示スペース内で、一番目立っていた車両だった。MONSTER ENERGY(モンスターエナジー)、HOONIGAN(フーニガン)、TOYO TIRESのロゴに、ゼッケンは43。それがどんな車両であれ、このロゴの並びを見ればクルマ好きならば理解できるだろう。このフォード「フィエスタST」は、アメリカの大人気動画コンテンツ、「HOONIGAN GYMKHANA(フーニガン ジムカーナ)」シリーズの主人公であったケン・ブロックが、タイヤスモークを巻き上げて、今にも飛び出して行きそうな雰囲気を醸し出していた。

この「フィエスタST」のオーナーは、ヒロさん。元々はモータスポーツの中でもラリーが好きだったそうだが、ケン・ブロックの登場と共に彼の虜に。彼に対する憧れを形にするべく、ベース車をイギリスより個人輸入。しかも、外装パーツも海外から取り寄せ、念願のケン・ブロック仕様を完成させ、この日の「TOYO TIRES FAN MEETING IN FUKUOKA」にて、初披露となったのだ。

日常使用も考慮して、イギリスから右ハンドルを輸入

この4代目フォード「フィエスタ」は、日本では2014年から正式販売された歴史を持つ。しかし、その仕様は排気量1000cc、直列3気筒ターボを搭載した5ドアのみ。一方、ヒロさんの愛車は、直列4気筒1600ccターボを搭載した2017年型「フィエスタST」がベース。しかも、ケン・ブロックのレースマシンと同じ3ドアであることが重要なのだ。

「2018年に車両探しから始めたのですが、すでにその時にはフィエスタが5代目にモデルチェンジしていたのです。でも、僕は4代目の2017年式をベースに作りたかったので、中古車を探しまくりました。でも、この車両はヨーロッパではすごく人気があるので値段も高くて。3ドアで作らないと意味がないと考えていたのですが、そうなるとアメリカかイギリスで探すしかなかったんです。その後、走行6000マイルほどのこの車両が見つかったので、それを購入し日本へ輸入しました」

最終的にはイギリスから輸入したのだが、その理由は「右ハンドルだから」。製作当初より、日常での使いやすさも重視して、車両選びをしていたそうだ。

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