バブル時代にキラキラしたアイテムを紹介
1980年代後半から1990年代初頭にかけてのバブル期には、なつかしいバブルグルマが数多く誕生した。日産初代「シーマ」、トヨタ初代「セルシオ」、トヨタ「ソアラ」(初代〜2代目)などだ。これらのクルマは高額車にもかかわらず爆発的ヒット。バブル景気で高収入を得た泡長者はもちろん、若者でさえバブル景気の魔法に惑わされ、無理して手に入れたものだ。そしてこの時代には、いま考えればとんでもない、あるいは画期的な車載用品も登場した。
自動車電話
まずはNTTドコモが発売した自動車電話だ。当時はショルダーホンやムーバといった携帯電話もあり、クルマに電話は、トランクに生えるアンテナとともにステイタスそのものだったのだ。クルマから電話ができれば、彼女との連絡やお店の予約に公衆電話を使わなくて済んだ。バブル期を象徴するモテ男の三種の神器のひとつであった。
後席用車内加湿器
バブル期を象徴するクルマの1台、日産シーマには、後席用車内加湿器がオプション設定されていた。「車内を加湿する」という目的は、とくに乾燥する冬の肌にいいのは分かるし、肌乾燥を嫌う女性にはウケそうな装備だが、筆者は当時別の使い方を提案していた。
それは、車内加湿器を使うと窓の内側が曇ってしまうデメリットを逆手にとり、車内が外から見えなくなる密室空間を作り出せたのである。たとえば、人目を気にせず車内で恋人と……(以下自粛)。こんな想定外の目的で便利だった車内用加湿器であるが、シーマ以来見たことがない……。
車内用FAX
1980年代には、今では廃れつつあるFAXが登場。某編集部で初めて、企画用の箱根ターンパイクをはじめとする箱根のワインディングロードのすべてのカーブの曲率(R)を記したMAPをいただくために、たしかタイヤメーカーから大量のFAXを送ってもらったのだが、初めて体験するFAX受信に、その場にいたスタッフ全員が大興奮。ジリジリ出てくるロール紙を待ちきれず、途中で引っ張ったら印刷がビヨーンと伸びてしまった失敗を思い出す。
そのFAXを車載用に用意したのも、まさにバブル期ならではトヨタ セルシオなどに小型版が搭載され(オプション価格20万円超え)、バブル期のビジネスマンには便利だったかもしれない。なにしろ当時はまだメールなどまだなかった時代で、画像や文面のやり取りはFAXしかできなかった。女子をセルシオに乗せ、FAX自慢をすればデキる男を演出できる効果は、……多少、あったかもしれない。