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5400万円で落札! ランボルギーニ「アヴェンタドール」の役物は「今が買い」!? 新車同然でもプレミアムが付かないうちに入手したい

33万1250ユーロ(邦貨換算約5400万円)で落札されたランボルギーニ「アヴェンタドールLP750-4 SV」(C)Courtesy of RM Sotheby's

ほぼ新車のアヴェンタドールが出品

2023年11月4日、RMサザビーズがドイツ・ミュンヘンで開催したオークションにおいてランボルギーニ「アヴェンタドール」が2台出品された。今回はいくらで落札されたのか、同車について振り返りながらお伝えしよう。

完全新設計の6.5L版V型12気筒エンジンを搭載

ランボルギーニのV型12気筒ミッドシップ、アヴェンタドールが誕生したのは2011年のこと。そのオフィシャル・デビューの場となったのは、ジュネーブ・ショーでのことだった。

その檀上で当時ランボルギーニを率いていたCEOの(彼は後に、アウディ・スポーツ、ブガッティのCEOを経て、再びランボルギーニのCEOへと復職する)ステファン・ヴィンケルマンは、「アヴェンタドールは2世代分を一気に進化させたモデルである」と宣言。

たしかにカーボンファイバー製のモノコックを採用したり、カウンタック以来の独特なパワーユニットの搭載方法を改めたりと、アヴェンタドールにはさまざまな技術的な革新が秘められていた。

搭載されるエンジンも完全新設計の6.5L版V型12気筒DOHC48バルブ。最高出力と最大トルクは、まず700ps、690Nmで始まるが、ここからランボルギーニはさらにそのチューニングを進めていった。

今回ミュンヘン・オークションに出品された2台のアヴェンタドールは、2016年モデルの「LP750-4 SVクーペ」と、2022年モデルの「LP780-4ウルティメ クーペ」の両車。そのネーミングの「LP」がV型12気筒エンジンを縦置きしていることを、続く数字が最高出力を、そして「-4」はフルタイム4WDの駆動方式を持つことを意味することは、すでにランボルギーニのファンにはお馴染みといってもよいだろう。ちなみにウルティメは、アヴェンタドール・シリーズの最終モデルとしてリリースされたモデルだ。

600台限定のLP750-4 SVクーペ

まずは33万1250ユーロ(邦貨換算約5400万円)で落札された、2016年モデルのLP750-4 SVクーペから解説を始めよう。イタリア語で「とても速い」を意味するスーパー・ヴェローチェ=SVの称号を掲げるこのモデルが最大のセールスポイントとするのは、やはり新たにチューニングを受け、初期モデルからさらに50psのエクストラを得たV型12気筒エンジンだろう。

バルブタイミングとエグゾーストシステムが改善されたことで、レブリミットも8400rpmに向上。同時に50kgほどの軽量化を実現したことで、パワー1psに対して2kgを負担するという驚異的なパワーウエイトレシオを実現した。

これはランボルギーニが得意とするカーボンファイバー素材をふんだんに使用することで可能となった数字だ。このカーボンファイバーと強化プラスチックで成型されるリアウイングは、さらに大きなダウンフォースを生み出すことに貢献している。600台の限定車であることも価値を高める理由のひとつだ。

2016年2月3日に、サンタアガタ・ボロネーゼのランボルギーニ本社からフランスのランボルギーニ・リヨンに納車されたLP750-4 SVクーペはブラックのインテリアにレッドのボディカラーを組み合わせたものだったが、そのコンディションは現在でもまったく変わっていない。

なぜなら新車時からの走行距離はわずかに965km。2022年にはセラミックコーティングも施され、直近では2023年6月にランボルギーニ・リヨンで整備が行われているからだ。マニュアル一式とサービスブックももちろん備わっている。

350台しかないLP780-4ウルティメ クーペ

もう一方のLP780-4ウルティメは、ランボルギーニのアド・ペルソナム・カスタマイズ・プログラムから選択された、ブルー・タワレのボディカラーで仕上げられたモデル。こちらももちろん限定車として販売され、トータル600台のうち、今回オークションに出品されたクーペは350台で、残りの250台はロードスターである。

搭載エンジンはさらに780psにまで強化され、0−100km/h加速で2.8秒、最高速では355km/hを記録した。それはアヴェンタドールの最終進化型と称するには、十分すぎるほどに魅力的なパフォーマンスといえるのではないだろうか。また走行距離は1856kmを示しているのみだ。

オークションの結果は、2016年式のLP750-4 SVクーペが33万1250ユーロ(邦貨換算約5400万円)、LP780-4ウルティメはオークションでは売買は成立しなかったが、その後プライベート・セールで新たなオーナーが決定したらしい。はたしてそれはどれほどの価値を生み出したのか。興味の尽きないところである。

AMWノミカタ

アヴェンタドールLP750-4 SVクーペの日本での新車価格はおよそ4800万円(アドペルソナムでの追加装備なしの状態)であった。昨今の円安ユーロ高を考慮して2016年当時の為替(125円で換算)で今回のオークション落札価格を計算すると、およそ4140万円での落札となる。つまり、ほぼ新車同然の個体であってもプレミアは付いていないと考えて良いだろう。

ランボルギーニの歴代フラッグシップの中でも、とくに販売台数が多かったアヴェンタドールだけに、今後の市場での評価がどのようになるかに注目したい。最新モデルである「レヴエルト」がこれからデリバリーされるため、アヴェンタドールからの乗り換えも多くなることは容易に想像ができる。今回のオークションの結果を見る限り、しばらくはアヴェンタドールの価格は落ち着きを見せるだろうと予想している。

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