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ロータリー搭載のアメ車があった!? マツダ「ロードペーサーAP」は「ルーチェ」の何倍もする高級車でした【カタログは語る】

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

  • シートは高級モケット織りで、天井、サンバイザーも同じ布地が使われていた
  • 四角いメーターナセルに横長のスピードメーターが特徴的だった
  • フロントのシートもモケットで、セパレート(5人乗り)とベンチシート(6人乗り)があった
  • 「ホールデンHJプレミア」をベースに開発された
  • 「大型サルーン」として一時期用意された
  • インテリアは、これはもう典型的なアメリカン・サルーン
  • 1977年にはマイナーチェンジを実施している
  • 搭載したのは当時のマツダのロータリーエンジンでは最大排気量だった13B
  • 三菱でも、オーストラリア市場向けのクライスラー318(セダン)、チャージャー770(クーペ)を少量ながら日本で販売していた
  • ロードペーサーAPでは、ロータリーエンジンを搭載していた
  • いすゞも同様の手法で「ホールデン・ステーツマン・デ・ビル」を輸入販売していた
  • ロードペーサーAPの外観は、見た瞬間に「アメ車だな」とわかるスタイリングをしていた

ロータリーエンジンを搭載していたモデルもあった

交通のペースをリードできるクルマ。そんな車名をもつマツダの「レア車」だったのが、この「ロードペーサーAP」だ。2022年6月に発行された「マツダ百年史・図鑑編」にも4分の1ページのスペースを割いて紹介されており、「国際分業によって誕生したマツダ乗用車のフラッグシップ」とある。フラッグシップはルーチェだったのでは? と思われる向きもあろうが、「ロードペーサーAP」はそのさらに上級クラス、国産車でいえば日産「プレジデント」、トヨタ「センチュリー」相当の『立派な』大型サルーンとして一時期用意された。

「ホールデンHJプレミア」がベースだった

予備知識がなくてもロードペーサーAPの外観は、見た瞬間に「アメ車だな」とわかるスタイリングをしていた。それもそのはずで、ロードペーサーAPは見てのとおりマツダのオリジナルではなく、GM由来のオーストラリア・ホールデン社のインターミディエイトクラスの「ホールデンHJプレミア」がベース。そのボディ・シャシーを部品として(詳しくは後述)マツダが受け取り、完成車としたものだった。

ちなみに当時、いすゞも同様の手法で「ホールデン ステーツマン デ ビル」を輸入販売。このモデルはマツダのロードペーサーAPのより上級に当たるモデルでもあった。ちなみにコチラはオーストラリア市場のV8の5046ccエンジン搭載車をもってきた。

当時のパンフレットの写真はそのクルマだが、日本仕様化にあたりフェンダーミラーが装着されている。あえてパンフレットの写真の並びのまま撮影しておくが、このフェンダーミラーを写真で見て、当時の117クーペのそれであることにお気付きになっただろうか?(元・117クーペオーナーの筆者はソコに激しくササった)。

また同時代の三菱でも、オーストラリア市場向けのクライスラー318(セダン)、チャージャー770(クーペ)を少量ながら日本で販売。両社とも5200cc(=318キュービックインチ)のV8を搭載したクルマだった。

さてここでマツダ ロードペーサーAPに話を戻すと、ボディサイズは全長4850mm×全幅1885mm×全高1465mm、ホイールベースは2830mmと、当時としては実に堂々たるものだった。後方に向かってなだらかに下降させたトランク部分こそ軽快感を出していたものの、フロントマスクは丸型4灯ヘッドライトとメッキのグリル、バンパーの組み合わせで、天地に比較的薄い造りながら、立派な押し出し感があったことは今、カタログ写真からも感じ取れる。

ちなみに販売時期は1975年から1979年の4年ほどだったが、途中1977年にはマイナーチェンジを実施。この時のフロントグリルのパターンが細かな横格子パターンから、全体を大きく10に分割させた縦基調のものに改められるなどしている。

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