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2億年前の風景が残る「化石の森」とは? アリゾナ州の必見スポット「ペトリファイド・フォレスト国立公園」を紹介します【ルート66旅_33】

2億年前の風景が残る「化石の森」とは? アリゾナ州の必見スポット「ペトリファイド・フォレスト国立公園」を紹介します【ルート66旅_33】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

  • ペトリファイド・フォレスト国立公園の北側に位置するゲート。夜間は盗難を防ぐため閉鎖されるので気を付けよう。また園内に宿泊施設はない
  • ブルー・メサと呼ばれる名所。年代によって色の異なる地層が露出している。2億2000万年~2億2500万年前に形成されたとのことだ
  • 公園内を北上すると唐突に現れるマザー・ロードのサイン。アリゾナ州はルート66とインターステート40号線が同化した区間も多い
  • 公園内には跨線橋もある。1マイルを超える長さといわれるBNSF(バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道)の貨物列車と出会う
  • 枯れた川にかかるアゲート・ブリッジ。崩落しないよう下部がコンクリートで補強されている。なおアゲートとは瑪瑙(めのう)を意味している
  • 大昔にここで暮らしていた先住民によって描かれたペトログリフ。大きな鳥にくわえられている人(?)の絵が気になって仕方がない
  • 美しい珪化木はインテリアにも最適。だからこそ盗難の被害が後を絶たないのだろう。実際に捕まっている場面を目撃したこともある
  • ペトリファイド・フォレスト。数え切れないほど散らばっているのは切り株ではなく、太古のナンヨウスギが化石になった珪化木だ
  • 近くで売っていた珪化木のテーブル。7500ドルは当時のレートでも約100万円、さすがに断念して20ドルの小さな置物を購入した
  • 崖の下にトレイルが見える。最長でも3kmちょいだしアップダウンも少ないので、あまり体力に自信がない人でも安心して歩けるはず
  • 公園のなかは道路もよく整備されているため、来るだけでも十分に景色は堪能できる。ほとんどのビューポイントは駐車スペースも完備
  • 放置されている錆びたクラシックカー。だいぶムリヤリ作り上げた感はあるものの、ルート66の近くにある撮影スポットとして人気のようだ

極彩色の砂漠と化石の森を貫くルート66

広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。イリノイ州シカゴから西に向かい、ニューメキシコ州からアリゾナ州へ入ります。今回はルート66を外れずにそのまま行ける絶景スポット、ペトリファイド・フォレスト国立公園を紹介します。

三畳紀の植物の化石「珪化木」が美しく残る

ルート66の旅はニューメキシコ州からアリゾナ州へ。個人的に一番思い入れがある州であり、また見るべき名所も豊富だと思っている州だ。最初に立ち寄るのは年間で約60万人が訪れる、広大なペトリファイド・フォレスト国立公園。日本語で「化石の森」を意味している。ほぼ中央を東西に貫いてかつてのルート66、今のインターステート40号線が走っており、最寄りの町は少し西に位置するホルブルックだ。

ペトリファイド・フォレスト国立公園は大きくふたつの区画に分けられ、まず1906年に名前の由来でもある化石の多い地域が国定公園に指定され、後に北部のペインテッド・デザートが編入され国立公園へと昇格した。

長きにわたりルート66上にある唯一の国立公園だったが、最近になってミズーリ州のゲートウェイ・アーチ国立公園が追加。とはいえ向こうは歴史的な建造物がメインであり、大自然を堪能できるこちらとは趣が少し異なる。

ペトリファイド・フォレストはその名のとおり、そこらじゅうに化石が転がっているエリアだ。といっても恐竜のような古代生物はさほど多くなく、メインは「珪化木(けいかぼく)」と呼ばれるナンヨウスギ科の植物。2億年ほど前の三畳紀に土砂で埋もれてしまった樹木の細胞に、珪素や酸素などの化合物である珪酸を含む地下水が入り込み、形を崩すことなくシリカという物質に変化して硬化したそうだ。

膨大な数の珪化木があり、状態がいいモノは年輪までキレイに残されている。美しさに目を奪われて持ち帰りたくなる気持ちも十分に理解できるが、他の国立公園と同様「何も持ち込まず何も持ち帰らない」がルール。

それでも珪化木の盗難は深刻な問題になっているようで、レンジャーが巡回し怪しいクルマがいれば車内を検査している。なお近隣の店では私有地から出た珪化木を売っており、そちらは誰でも購入でき国外に持ち出しても問題ない。また南エリアでは古代のネイティブアメリカンたちが描いた、ペトログリフと称される壁画を見学することも可能だ。

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