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伝説のアルファ ロメオ「ジュリアGTAm」を「ジュリア クーペ1750 GTV」で再現! サーキット専用として楽しんでます

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循

  • アルファ ロメオ ジュリアGTAmレプリカと、オーナーの赤鹿保生さん
  • ベース車両は1971年式ジュリア クーペの1750 GTV
  • 10年くらい前にベース車両を入手し、2年くらいかけてレストア。FIAのGr.2規程仕様に仕上げた
  • 赤と白のボディカラーはイタリアの有力プライベーター、スクアドラ・アンジェリーナの再現
  • セブリングスタイルのサイドミラー
  • マフラーはサイド出し
  • アウトデルタは往年のジュリアGTA/GTAmを手がけたアルファ ロメオのレース部門
  • ここにもアウトデルタのエンブレム
  • リアウインドウにはエアダクトも備わる
  • ワイドフェンダーに9Jと極太のカンパニョーロ製ホイールを装着する
  • リアのトランクには燃料タンク
  • 室内にはロールケージ
  • シンプル極まるコクピットにはMOMOステアリング
  • 眼前には回転系のみが備わる
  • JCCAの筑波ミーティングなどにも参戦しているそうだ
  • 2年ほど前にアウトデルタ製のツインスパークの狭角ヘッドを入手できたので、それを組み込んだエンジンに積み替えている
  • ベース車両は1971年式ジュリア クーペの1750 GTV

チャオイタリア2023に参加していたジュリアのオーナー

趣味のクルマのイベントには、そのテーマに国籍、メイクス、年代など、さまざまな括り方があるが、さる2023年10月22日開催された「Ciao Italia 2023(チャオ・イタリア2023)」は、その名の通りメーカーや車種、年式を問わずイタリア車であれば参加OKというイベントだ。イベントの会場となるのは兵庫県多可郡のセントラルサーキット。そのロケーションからも分かる通り、レースやスポーツ走行がメインのサーキット系イベントだ。本稿では、その会場で見かけたマシンとオーナーをご紹介しよう。

アルファのスポーツ・イメージを決定づけたジュリア シリーズ

モータースポーツのためにその情熱の全てを注ぎ、市販車を販売するのはむしろその資金調達のための手段。フェラーリやマセラティ、ランチアにアバルトなど、イタリアの多くの自動車メーカーはそんな印象が強い。

そして、ミラノの名門アルファ ロメオもまた、モータースポーツの分野で数々の栄冠に輝いてきたブランドだ。その血統は、同社が量産車メーカーへと脱皮した第二次世界大戦後にも脈々と受け継がれるわけであるが、1960年代から70年代にかけてアルファ ロメオのスポーツ・イメージを広く印象付けたのが、一連の「ジュリア」シリーズだろう。

1962年にデビューした高性能セダンであるジュリアと、そのセダンをベースに翌1963年にデビューしたジュリア クーペは、その長い生産期間の間に数多くのバリエーションや派生モデルを生み出しつつ、ツーリングカー・レースやラリーの世界でも大きな活躍を見せたのである。

1971年式ジュリア1750 GTVからGTAm仕様に変身

「もともと旧いフィアットやアバルトが好きで、アバルトOT1300、131ラリーや124ラリーなどと付き合ってきました」

という赤鹿保生さんは、愛車遍歴からもわかるとおり、生粋のイタリア車フリークだ。そして今回サーキットに持ち込んでいたのがこちら、FRPの派手なワイドフェンダーに9Jという太いホイール&タイヤが大迫力のジュリア クーペだ。

「もとは1971年式ジュリア クーペの1750 GTVですが、それをベースにGTAm仕様に仕立てました。クルマそのものは10年くらい前にベースの車両を入手して、2年くらいかけてレストア。FIAのGr.2規程仕様のこの姿になって7〜8年、さらに2年ほど前にはアウトデルタ製のツインスパークの狭角ヘッドを入手できたので、それを組み込んだエンジンに積み替えて、現在の状態です」

サーキット専用マシンとしてレースを楽しむ

わが国では旧くから「おたふく」の愛称で知られるファットなボディが強烈な印象の「GTAm」。当時製造されたGTAmのほとんどは純レーシングカーとしてワークスのレース活動に投入されていたので、本物のGTAmの現存率は非常に低いと言われる。なのでヒストリックカー・レースを楽しむサーキット専用マシンとして、赤鹿さんのような楽しみ方は非常にクレバーと言えるだろう。

「JCCAの筑波ミーティングなどにも参戦していますが、あのレースはサニーあたりの国産勢が速いんですよね」

という赤鹿さん。しかし、ヒストリックカー・レースの目的はただ勝てばいいというモノでもない。赤と白のボディカラーはイタリアの有力プライベーター、スクアドラ・アンジェリーナの再現だが、このあたりのツボを押さえたセンスにも脱帽。

今や伝説的なGTAmが活躍した当時に思いを馳せ、当時をイメージしたカラーリングのジュリア クーペでサーキットを駆けるのは、やはりモノのわかったオトナならではの悦楽なのである。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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