究極のストリート仕様車
「フォーカス Mk.2 RS MR375 クラブスポーツというのが正式な名称です」
というこのフォーカスRSは、ご覧の通りただものではない。エンジンから足まわりまで、彼の地では定番チューニング・ブランドとして知られるmountune PERFORMANCEのキットを組み込んで仕上げた1台。これ以上ハードにするとロードユースはなかなか厳しくなるというその一歩手前でバランスを取った、ある意味究極のストリート仕様。
かつてフォードジャパンが正規輸入していたのは基本的には5ドアかワゴンのATというジェントルなグレードだけだったが、イメージ・リーダー的な存在のRSやSTをもっと積極的に輸入していればその後の展開もまた異なったものになっていたかもしれない……と、そんな詮無いことさえ考えてしまうチューニング・フォーカスRSの迫力とかっこよさ。
徹底した実用性ととんでもないスポーツ性、ひとつのブランドに潜むジキル博士とハイド氏のような極端な二面性もまた、ヨーロッパフォードの持つ大いなる魅力である。