誰もが驚いた衝撃の発言「これじつはジムニーがベースなんです」
2023年9月に富士山麓のスタックランドファームオフロードコースで開催された「ジープジャンボリー」には、古くはウィリス「MB型」から三菱ジープ、そして最新のジープ「ラングラー」まで、個性的なジープと魅力たっぷりのオーナーが集まった。今回は、元祖ジープの「ウィリスMB」を発見! と思いきや、意外な車両をベースに製作されたレプリカだった個体を紹介しよう。
ドライブトレインはJA11ジムニーをそのまま流用
パッと見はウィリスMBなのだが、細かな部分がちょっと違うのだ。しかも会場に入ってきた際の排気音も全くの別物。さっそくオーナーに話を伺ってみると、驚くべき答えが返ってきた。
「これ、じつはジムニーがベースなんです。完成まで3年かかりました」
オーナーの上嶋さんは、JA11型スズキ「ジムニー」をベースに今から10年ほど前にカスタムをスタート。エンジンやトランスミッション、足まわりなどはジムニーをそのまま使用し、ハンドメイドで製作したMB型のボディを装着している。
JA11がチョイスされたのは、前後リーフスプリング装着車で、新規格の660ccターボエンジンが搭載されている点だ。MBスタイルのボディは細部にいたるまでかなり精巧に作られているが、ジムニーの基本構造に合わせてオリジナルのMBとは異なるディメンションとなっているそうだ。
上嶋さんいわく、外観で最も本物と異なる部分はフロントタイヤの位置だそう。これはジムニーのホイールベースの関係で仕方ないことだが、本物よりかなり後方になってしまっているそうだ。
ところどころに見え隠れするジムニーの面影
車内に目を向けてみると、いろいろと違いが見えてくる。まずはステアリングコラムやステアリングホイール、ウインカーレバーなどはジムニー用をそのまま流用している。また同様にシフトレバーや副変速機、さらによく見てみると、メーターもジムニーのままで、エアコンの操作パネルやサンバイザーもジムニー用のようだ。
フロアパネルはジムニー用のままなので、サイドブレーキ周辺にはセンターコンソールが備わり、シートもジムニー用のままとなる。
こうして細かな差異はあるものの、総じて完成度は高く、パッと見ただけではこのクルマがジムニーであることを見分けることはできないはずだ。
ジムニーベースゆえに部品供給にも困らないのがメリット
上嶋さんは根っからのDIY好きだそうで、このほかにもサイドカー付「ウラル」のトレーラーを製作中という。当然軍用車に関する知識も豊富だ。そんな上嶋さんにこのジムニーの出来を聞いてみた。
「なかなかよくできたと思います。しかもエンジンやトランスミッションはジムニーだから壊れても部品には困らないし、税金も安いですからね」
こうしてジープジャンボリーの会場でも多くのジープ乗りに囲まれ、終始質問責めにあっていた。