「安心とゆとり」が開発テーマ
レクサスがコンパクトクロスオーバーモデル「UX」を改良。ガソリンエンジンモデルが廃止され、ハイブリッドとBEVのみをラインアップする「電動モデル」へと進化しています。レクサス初のBEVでもある「UX300e」も改良が重ねられ、使い勝手が向上しました。
BEVは急速充電時間を約25%短縮
レクサスはコンパクトクロスオーバーモデルのUXを改良。2L直4ガソリンエンジンを搭載したUX200が廃止されたため、新型はハイブリッドとBEVモデルのみの「電動モデル」として登場。たゆまぬ進化を追求するレクサスのAlways Onの思想のもと、「安心とゆとり」をテーマに改良が施されているという。
UX250hからUX300hに車名を変更した新型はハイブリッドシステムを改良。システム最高出力を旧型比でプラス15psとなる199psとし、「走り味の深化」を果たしているという。AWDモデルのリアモーターの出力も30kWに向上している。また、燃費も23.4〜26.3km/L(WLTCモード)と、旧型の21.6(AWD)〜22.8km/L(2WD)から向上したこともポイントだ。
一方のUX300eは、すでに2023年3月にバッテリー容量を54.4kWhから72.8kWhに増強することで、航続距離を40%向上させ512km(WLTCモード)へと改良済み。今回はさらに急速充電の所要時間を約25%短縮することで、より使い勝手を向上させている。これは、走行と急速充電を繰り返しても電池の上限温度に達しないよう、駆動用電池クーラーを備えることで実現。冬場など外気温が低い場合も、駆動用電池ヒーターでバッテリー温度を調整することで充電時間を短縮させる。
細かな改良で走りもさらに快適に
新型はラジエーターサポートブレースやロアバックパネル下端のガゼット(補強板)の追加などでボディ剛性を高め、ライントレース制御やフラットボディ制御を織り込むことで操縦安定性を高めている。ドライバーの意図に忠実な走りを実現させるために、加速度センサーでドライバーの意図を読み取り制動力と駆動力を制御。スポーツ走行時にはアクセルオン/オフ時の減速アシストの増加、エンジンの待機回転数を維持することで再加速をアシストするという。
また、アクセルオフでの減速度を高めることでブレーキ操作の負荷を低減、登降坂制御により路面勾配に応じた加減速アシストを行ってくれる。さらに、ブレーキを各輪独立制御によるピッチ・ロール制御を採用し、ブレーキペダルの踏み始めでのリニアな制動感や強く踏み込んだ際の接地感や安心感を向上させた。
静粛性も向上した。ルーフ減衰材の高減衰タイプへの変更、ダッシュパネルなどへの制振材の追加、遮音材の適正配置などによりロードノイズを低減させることで静粛性をアップさせている。
このほか予防安全技術Lexus Safety System+の機能を拡充。ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせたセンサーによる作動対象を拡大させることで、日中の自動二輪や夜間の自転車の検出対象が拡大、交差点衝突回避支援(出会い頭車両)機能を追加し交差点での交差する車両に対しての衝突回避支援も追加している。
また、車内にAC100Vのアクセサリーコンセントを新設し、車内や車外で(1500W以下の)電化製品が使えるようになった。リアのサイドウインドウに取り付ける外部充電アタッチメントも用意されるなど、細やかな使い勝手も向上している。
ハイブリッドのUX300hは2024年1月上旬、BEVのUX300eは1月下旬の発売を予定している。UX300hは全グレードにFFと4WDを用意し、価格は455万9000〜565万7000円(消費税込)、UX300eは前輪駆動(FWD)のみで650万〜705万円(消費税込)となる。