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「スカイラインGT-R」を求めて佐世保から神奈川へ! 米海軍基地で働くカルロスさんが夢のクルマを手に入れるまでの苦労とは

外装に関してはカルロスさん自身は手を加えてないそうで、前オーナー仕様のまま引き継いでいる

日本語も分からないまま、愛車を求めて神奈川へ

映画『ワイルド・スピード』とアニメ『頭文字D』に影響を受けたクルマ好きは、日本人だけに留まらない。「九州☆GT-Rミーティング2023」で出会った日産「スカイラインGT-R」(R34型)のオーナー、アメリカ人のカルロスさんもそんなひとりだった。海軍で働いた結果、悲願の日本駐在が叶い佐世保基地で勤務することに。「いつかアメリカに戻ってしまう前に、憧れのGT-Rを日本で手に入れる!」ため、神奈川まで車両を買いに向かった情熱の持ち主であった。

名も知らぬ街で見た、シルバーの34GT-R

「このGT-Rを購入したのは神奈川でしたが、日本語も分からないし、お店までいろいろな電車を乗り継いで車両を見に行ったので、何という街だったのか、正直よく覚えていないんです(笑)」

九州☆GT-Rミーティング2023に、シルバーの日産スカイラインGT-R Nスペック(R34型 2001年式)で参加していたカルロスさん。現在は、佐世保にあるアメリカ海軍基地に駐在しており、業務の関係で神奈川県にある横須賀基地に滞在したこともあったそう。しかし、神奈川という土地に詳しいわけでもなく、「気になったGT-Rが神奈川で販売されていた」というだけで、日本語も分からないのに現車を見に行ったという行動力は、なかなかマネできないものだ。

「本当はブルーの34GT-Rが欲しかったけど、ブルーは人気があってどれも高価でした。だから、値段がちょっと安かったシルバーの車両でいいなと。でも、実際に車両を見に行ったら、これは純正のスパークリングシルバーではなくカスタムペイントのシルバーだったのです。他には無い色だなと思いこれに惹かれたのも、購入するきっかけのひとつでした」

入手したのは約5年前の2019年。その時の購入価格は決して安い価格ではなかった。そのため、初見から2週間後に、お店を再訪問している。

「当時、お店にはホンダNSXも並んでいました。そっちを買ってしまおうかと、ちょっとだけ悩みました(笑)」

という心変わりが起こる前に、改めてこのシルバーのR34型GT-Rが欲しいんだ、という自分の気持ちを再確認。そしていよいよ契約に。

しかし、日本で車両購入するのは初体験だったため、購入から登録の過程で諦めようかと思ったこともあったとのこと。しかし、お店のサポートもあり、時間をかけて苦難を乗り越え、ようやく念願のR34 GT-Rオーナーとなったのだ。なお、納車時はそのお店から佐世保まで自走で帰還。半日かけて走り抜けたその思い出は、動画に残してあるそうだ。

アメリカ帰国時に、愛車を持って帰りたい

カルロスさんの愛車は、エンジンを中心にチューニングが施されている。内容は、ニスモ製エアインレットダクト、N1用ツインターボ、トラスト製ラジエーター&フューエルレギュレーター&インタークーラー、HKS製スパークプラグ、ARC製クーリングパネルなど。サスペンションはオーリンズ製Mi10S1コイルオーバー。前オーナーから引き継いでいる仕様もあるが、一部は横須賀の大森ファクトリーが手がけているそうで、日産好きの彼にとってはこういう部分も好きな理由なのだとか。

「アメリカでは、現地の法規制に合致しない外国車は、生産から25年が経過しないと持ち込めないというルールがあります。つまり、私の愛車は2026年にならないと輸入できないのです。日本はとても好きだけど、将来的には家族を持って、このGT-Rを保管するための家も購入したいので、私は、日本への駐在任期が終わったらアメリカに帰国しようと考えています」

佐世保基地内でも週末になるとカーミーティングが開催。また、基地の外へ遊びに行くことで、「GT-R仲間との交流も少しずつ広がっている」というカルロスさん。その縁があって、この九州☆GT-Rミーティングは2022年に続いて2年目の参加だった。ただし来年に関しては、米軍艦艇の配備とエンジニアというご自身の職務の関係で、参加できない可能性が高いのだとか。いつか離れる時が来るその時まで、日本でしかできない愛車との体験を、心ゆくまで楽しんでほしい。

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