ジープジャンボリーの会場で発見したのは自衛隊仕様のJ25A(?)
2023年9月に富士山麓のスタックランドファームオフロードコースで開催された「ジープジャンボリー」には、古くはウィリス「MB型」から三菱ジープ、そして最新のジープ「ラングラー」まで、個性的なジープと魅力たっぷりのオーナーが集まった。今回は、トレーラーを牽引した自衛隊仕様の三菱ジープを直撃してみた。
J24のシャシーにJ25Aのボディを換装
トレーラーを牽引した自衛隊仕様の三菱ジープのオーナーは、会場に近い静岡県の法月さん。この車両の他にJ34型も所有しているという大のジープファンだ。この自衛隊仕様もさまざまな努力の末に完成した1台なのだ。詳しくお話を伺ってみた。
まずボディの見た目は73式小型トラックと呼ばれる自衛隊仕様のジープとなる。自衛隊では歴代三菱ジープを正式採用してきたが、この車両は中でも最も後期のモデルとなるJ25A型となる。ちなみにこのJ25Aを最後に73式小型トラックはジープベースではなく、「パジェロ」ベースの車両に変更となるため、J25Aは最後のジープ型自衛隊車両となるのだ。
ボディには管制灯火と呼ばれる軍用車ならではのライト類や各灯火類にガードが備わるなど、民生用ジープとは異なるディテールが満載だ。ところが実際には自衛隊車両は、兵器扱いとなるため、そのまま民間に払い下げられ、一般人が登録することはできない。
ではなぜ、こんな車両を所有しているのだろうか? そこにはマニアならではの努力があったのだ。
ノーマルではなくあえてリフトアップ
オーナーの法月さんに詳しく聞くと、この車両は今から20年ほど前に中古で入手した1980年式のJ24型三菱ジープ、つまり民生用車両がベースとなっているのだとか。これに3カ月かけてレストアしたというJ25Aのボディを架装したというわけだ。つまりボディは本物の自衛隊仕様となる。あわせてエンジンも直噴ターボディーゼルに載せ替えているそうだ。
足まわりはリーフとシャックルでリフトアップしたうえで、ボディ同色にペイントしたブラッドレーホイールに、標準よりも外径の大きな255/85R16サイズのタイヤを装着している。
1/4tトレーラーはキャンプ仕様にカスタム
牽引しているのは、実際に自衛隊でも牽引していた1/4tトレーラーで、通常はトレーラーの上に幌が備わるが、法月さんはこの組み合わせでキャンプを楽しむべく、ステンレスで頑丈なガスダンパー昇降式の蓋を作成し、この上にYAKIMAのラックを装着し、ルーフトップテントを搭載している。
トレーラーの中には必要なキャンプ道具が全て詰まっており、雨でも中の荷物が濡れる心配は皆無。このトレーラーを牽引して出かければ、どこでもキャンプができるという仕組みだ。
ちなみにトレーラーの足まわりは車高を調整したうえで、ジープと同じオリーブグリーンのブラッドレーホイールが装着されており、前後でコーディネートされているとともに、トレーラーを並行に牽引できるようになっているそうだ。