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映画『カーズ』の世界にどっぷりハマれるモーテルへようこそ! 巨大なウサギの看板も必見の映えスポットです【ルート66旅_34】

映画『カーズ』の世界にどっぷりハマれるモーテルへようこそ! 巨大なウサギの看板も必見の映えスポットです【ルート66旅_34】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

  • ウィグワム・モーテルの敷地のあちこちに置いてある1960年代より昔のクラシックカー。これらの存在がより強く『カーズ』の世界に引き込んでくれるのだ
  • ウィグワムの内部は広さも設備も普通のモーテルと変わらない。初めて泊まったときはWi-Fiがなかったものの数年後には完備されていた
  • 毛布に描かれているのはホピ族の精霊であるココペリ。笛を吹くことで豊作や幸運をもたらす存在として古くからから信仰されてきた
  • カリフォルニア州サンバーナディノで営業しているウィグワム・モーテル。立ち並ぶパームツリーがいかにもカリフォルニアといった雰囲気を醸し出す
  • ジョセフシティのルート66と交差する道の名はジャックラビット・ロード。並行している線路を大編成の貨物列車が頻繁に行き交う
  • 東から見た側の看板。ウサギのイラストが左で文字が右となっている。映画『カーズ』ではウサギからクルマに変更されているだけだ
  • 裏にまわって西から見るとイラストと文字の位置が逆転。ここまで『カーズ』で再現されているとは脱帽だ。機会があれば観て欲しい
  • ウィグワム・モーテルのシステムは一般的なモーテルと同じ。オフィスで空室があればチェックインを済ませ、指定された部屋の前にクルマを移動させるだけ
  • 案内してもらったウィグワム・モーテルの初代オーナーのコレクションを集めた小部屋。珪化木からクラシックなライフル、農機具などジャンルは多岐に渡る
  • 特徴的なデザインの建物が並ぶウィグワム・モーテル。今まで紹介したいくつかの宿と同じく、ここに宿泊すること自体が目的になる

アリゾナ州のホルブルック&ジョセフ・シティは映画『カーズ』の雰囲気たっぷり

広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。イリノイ州シカゴから西に向かい、見どころの多いアリゾナ州へやって来ました。今回はルート66沿いの2カ所のオススメスポットを紹介します。

ネイティブアメリカン風のキャビンに泊まれる老舗モーテル

北方領土を含めた日本列島を超える長さのルート66で、個人的には一番見どころが多いと思うアリゾナ州。ふたつの絶景が楽しめるペトリファイド・フォレスト国立公園の次は、映画『カーズ』の世界に紛れ込んだような錯覚を抱くふたつの街だ。

ひとつめは人口が5000人弱とこの地域ではそれなりに栄えており、ペトリファイド・フォレスト国立公園の最寄りでもあるホルブルック。

観光客が多いため全米チェーンのモーテルもいくつかあるが、ルート66ファンなら「ウィグワム・モーテル」に泊まりたい。ネイティブアメリカンの伝統的な住居ウィグワムを模したキャビンで、2002年にはアメリカの国家歴史登録財にも指定されている。もともとは1930~1940年代に建設されたチェーン店で、当初はここを含め全国に7店が展開していたという。

ホルブルックのウィグワムがオープンしたのは1950年、初代のオーナーはチェスター・E・ルイスなる人物だった。以降も他人の手に渡ることなくファミリー・ビジネスとして継続しており、映画『カーズ』の世界的なヒットでさらに名を知られるようになる。

主要キャラクターのひとりであるサリーが経営する宿で、名前こそ「コージー・コーン・モーテル」だが、特徴的な外観はまさしくウィグワム・モーテルだ。部屋は決して広くないがクイーンサイズのベッドがあり、シャワーやエアコンやテレビなどの装備もすべて揃っている。

初めて宿泊したのは2011年3月の下旬だった。いつものように予約もせずフロントで空室があるか聞くと、パスポートを見て日本人だと知ったスタッフが嬉しそうに、味噌汁が大好物でインスタントをよく買うと教えてくれた。話が弾んでルート66を全線走破している途中だと言うと、初代オーナーのコレクションを展示した部屋を案内してくれたり、創業したころの歴史的にも貴重な写真を見せてくれるなど、手厚い歓迎を受け、それからの旅では定宿のひとつにしている。

なお現在も営業を続けているウィグワム・モーテルは、こことカリフォルニアのサンバーナディノのふたつ。機会があればそちらにも泊まってみることをオススメしたい。

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