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希少! 日産「GT-R LMリミテッド」の誰もが見惚れる美しさの秘密は「新車戻し」にありました

貴重なLMリミテッドは、北海道から自走参加!?

2023年10月22日に熊本県阿蘇分南小国町にある瀬の本レストハウスで開催された「九州☆GT-Rミーティング2023」には、R32型からのいわゆる第2世代以降の日産「GT-R」オーナーが大集合。その数ある参加者の中で発見した、1台の青い日産R33型スカイラインGT-R。LMリミテッドなのに、ナンバーはなんと「札幌」!? まさかの自走参加かと取材協力をオーナーの河村さんにお願いしたところ、驚愕のチューニングメニューであることが発覚したのだった。

美しさの秘訣は、徹底した新品パーツの交換だった

チャンピオンブルーと呼ばれる特徴的なボディカラーは、ル・マン24時間耐久レース参戦記念に作られた専用色。しかも、専用ステッカーやN1バンパーなど、河村さんの愛車は総生産台数が98台(所説あり)と言われるLMリミテッドであることは明らかだった。しかも、まさかの札幌ナンバー。イベント開催地は熊本県。この美しい状態のまま、フェリーを使っての自走参加かと思いきや、「転勤族のため、今の住まいは福岡県です(笑)」と、いきなり拍子抜け。しかし、ここまで綺麗なコンディションを保っていることに来場者の多くも気付いており、その秘訣を尋ねたら、驚くような答えが返ってきた。

「できる限り新品のパーツに交換して、この車両が販売されていた当時の、新車のコンディションに近づけているんです!」

その内容をざっくりと説明すると、エンジンルームの中のエアクリーナーボックスや冷却ファン、冷却水タンクや燃料まわりのパイピング、メインハーネス、ABSユニットなどできる限りのパーツは新品に交換済み。内装では、ダッシュボードやエアコンユニットはもちろん、ボディではメンバーなどもすでに交換済みだという。

「最後にボディのレストアをするつもりなのですが、その時のために各モール類やウェザーストリップは、全部新品パーツを用意してあります」

誰もが目を奪われる美しさの秘訣は、河村さんの徹底した新車戻しへのこだわりだったのだ。

見た目は純正だけど、ファインチューニングも敢行

しかも、河村さんに驚かされたのはこれだけではなかった。基本は純正の外観をキープしているのだが、実はエンジン、トランスミッション、デフなどはしっかりとチューニング済み。そのメニューも、エンジンはN1のエンジンブロックを使いつつNAPRECのメニューを実施。コイルとインジェクターはR35 GT-Rの純正品を流用しつつ、ジュラテックによりそれらの位置を最適化。ただし、パイピングやパーツレイアウトなどは純正を踏襲という徹底ぶり。

トランスミッションはゲトラグ製コンバージョンキットで、こちらも新品で入手。さらにデフはニスモ製カーボンLSDに交換と、「見た目は純正のままでのファインチューニングと、可能な限りの新車戻し」が、河村さんの愛車のチューニングテーマなのだ。

「愛車は鳥取県にあるチューニングショップ、NRクラフトさんに手がけてもらっているのですが、それも転勤でそちらに住んでいたことがきっかけです。いろいろとパーツが揃ったのでいよいよ始めようとした時が、たまたま鳥取県在住だったという流れです。今でも500kmほど走って愛車を預けに行きますが、私が愛車をどうしたいのかをしっかり理解してくれているので、安心なのです」

ちなみに、このLMリミテッドは北海道在住時に入手。チューニングは鳥取、そして現在の住まいは福岡。これだけ遠方の引っ越しが多い中で、今まで集めてきた在庫部品はどこに保管しているのか、素朴な疑問を投げてみた。

「ストックヤードが生まれ故郷の福岡にあるんです。いわゆる、実家ってやつですが(笑)。基本的に、購入したパーツは全てそこに送っていました。でも、製造廃止になり手に入らない製品で、ヘッドライトのように高額になっている商品があるんです。そういう大切なものだけはいつも手元に置いていて、私の引っ越しとともに各地を転々と移ってきましたね(笑)」

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