ワンメイクレースならではの厳しさと楽しさとは?
2024年1月12日~14日に開催された東京オートサロン2024の「NAPAC・オートパーツの日」ブースにて、2023年「GR86/BRZ Cup」プロフェッショナルシリーズの年間ランキング上位ドライバーによるトークショーが実施された。参加したのは、年間第1位 井口卓人選手(88号車/東京スバルBS BRZ)と年間第2位 堤 優威選手(7号車/CABANA BS GR86)、年間第3位 菅波冬悟選手(8号車/OTG TN滋賀 GR86)の3名だった。
優れたドライビングテクニックはもちろんセットアップ能力も試される
GR86/BRZ Cupのプロフェッショナルシリーズは、ワンメイクレースでありながら、NAPACの指定部品のなかからサスペンションやマフラーなどドライバーが選択できるようになっている。予選1秒以内に20台近くが入ってくるという熾烈なレースとなっているので、どのパーツを選ぶかでグリッドポジションを大きく左右することになるのだ。
今回トークショーに参加した上位3選手は、優れたドライビングテクニックを持つドライバーであることはもちろん、優れたセットアップ能力を持った3名と言うことができるのだ。
井口選手「これまで、このワンメイクレースには長く参戦してきましたが、昨年はチームタクティとして、チームオーナーとドライバーを兼務するカタチでレースに参加しました。大変な1年でしたけど、最高の結果を残すことができて嬉しいのですが、うまくいきすぎで驚きも大きいです」
堤選手「最終戦以外は、納得のできる走りで、ポイントを獲得できていたのですが、井口選手が本当に速くて、とくに後半戦は菅波選手もすごく速かったし、全体的には厳しい1年でした。シリーズチャンピオンも見えていたのですが、最後の最後で残念な結果に終わってしまって、悔しさが残るシーズンでした」
菅波選手「ダンロップタイヤさんがシリーズ後半に投入してくれたニュータイヤが、凄くパフォーマンスが高くて良い成績を残せたのですが、いかんせん前半戦が厳しくて、井口選手や堤選手が使用するブリヂストンのロングランで調子が良いタイヤに凄く苦しめられました。予選は良い成績でも、決勝の後半でペースダウンして逆転されるというケースが多かったです。あと一歩シリーズチャンピオンに届かなかったですが、トータルで見れば上出来だったと思います」
S耐やスーパーGTとは異なる難しさがある
最終戦の1ポイントを争うヒリヒリしたなかで行われていたのがGR86/BRZ Cupプロフェッショナルシリーズになる。S耐やスーパーGTのように複数のドライバーで闘うレースとは違い、予選から決勝まで1人のドライバーが勝敗を決めるレース。そしてワンメイクレースというカテゴリーから、マシンの差はごくわずか。ほんの一瞬のミスが命とりとなるレースなだけに、ハイパワーマシンを操るレースとは異なる楽しさがあるのだろう。
2024年は、昨年参戦しなかったベテランの谷口信輝選手が、GR86/BRZ Cupに復帰するというニュースが入ってきている。もちろん、他にも一流ドライバーたちが多数参戦するGR86/BRZ Cupなので、ますますアツイ闘いを見せてくれるに違いない。ぜひとも注目していただきたいレースなのだ。