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570万円なら手が届く!?「944 S2カブリオレ」なら夢のポルシェオーナーになれるかも。極上車が出たらお早めに

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

今どきリーズナブルな約570万円で落札

さきごろ「The White Collection」オークションに出品された1990年式ポルシェ944 S2カブリオレは、車両とともに保管されているビルドレコードによると1990年2月にネッカーズルム工場で完成した段階から、「アルパインホワイト」の外装にブラックのパーシャル(部分)レザーのインテリアが組み合わされていた。

同じドキュメントには、オリジナルの「ブラウプンクト(Blaupunkt)」社製ステレオヘッドユニットとオプションのブラウプンクトBEA 80イコライザーアンプユニットがダッシュボードに取り付けられた「Hi-Fiサウンドパッケージ」が選択されていたことも記載されている。

カリフォルニア在住のファーストオーナーに新車として販売された944 S2カブリオレは、2014年に「ホワイトコレクション」が譲り受けるまで、この初代オーナーのもとで大切に保管されていたという

ただし、ドライブに駆り出される機会はあまりなかったようで、オークション公式カタログ作成時の走行距離は、わずか1万6064マイル(約2万5700km)。それでも1993年までさかのぼる一連の請求書から、長年にわたって真摯なメンテナンスが行われ、このクルマが良好なメカニカルコンディションと内外装の美しさを保っていたことがわかる。

ホワイトコレクションに収蔵されたのちも944 S2カブリオレは定期的にエンジンをかけていたようで、機関部が正常に機能すると確認されたとのことである。

またオークションの落札者には、レザーポーチ付きのオーナーズブック、純正工具セット、トノカバー、ドキュメントバインダーなども販売時に引き渡される約束となっていた。

ポルシェ944 S2は、フロントエンジン+トランスアクスルFRのパワートレインがもたらす優れたハンドリング特性に、3.0Lの16バルブエンジンによるトルクフルなパフォーマンスが味わえる優れたスポーツカーであることは、ポルシェファンのみならず周知の事実である。ことによく整備され、走行距離の少ないカブリオレは、次にオーナーになる愛好家にとっては格別な1台となり得る可能性を秘めている。

そんな目算のもと、RMサザビーズ北米本社は4万ドル~6万ドルのエスティメート(推定落札価格)を設定した。ちなみに「The White Collection」から出品された商品はすべて「Offered Without Reserve」、つまり最低落札価格を設けない出品としていたのだが、実際の競売ではその賭けが裏目に出るかたちとなり、エスティメート下限にはあと一歩届かない3万9200ドル。日本円に換算すると約570万円という、現在のマーケット相場と比較してもかなりお買い得な価格で、競売人のハンマーが落とされることになったのだ。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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