なんと本物のWRカー
2023年10月に富士スピードウェイCGパークP2駐車場で開催された「ラリーファンミーティング」。このイベントにはラリーを思わせる多くのクルマが集まったが、その中に「本物」で参加するオーナーもいた。他のスバル「インプレッサGC8」とは一線を画す出で立ちのマシンのオーナー、“GC8kai”さんに話を聞いてみた。
ドナーのGCBも用意
遠目から見ると「限定車のインプレッサ 22Bかな?」と思っていたこのクルマ。しかし、よく見ると左ハンドルだし、なんというかオーラが違う。気になりGC8kaiさんに話を聞いてみるとなんと本物のWRカーだというから驚きだ。
「22Bを3台所有しているのですが、知人が手に入れたWRカーを見て『欲しい!』と思ったんです。22Bもワイドボディとなっていますが、本物のWRカーはフェンダーの造形が違うんです。これを見てもう欲しくてたまらなくなりました」
こうして本物のWRカーを愛車にすることを目標としたGC8kaiさん。影響を受けた知人に協力してもらい、海外で見つけ日本へと持ってきた。GC8kaiさんの手元にきたマシンは1998年のS5というモデルとのことだ。そして、ナンバーを取得し公道走行を実現するためにドナーとして通常のGCBも用意し、車検取得に向けて各種作業を実施した。
可能な限り本物のパーツを
ナンバー取得には約6年の月日がかかったそうだが、無事にナンバーを取得し、イベント当日も自走で来ていた。ガス検査の関係や各種車検対応のため、エンジンやトランスミッションの本体はGDBのものやGC8のものが使われている。また、ナックルやドライブシャフト、プロペラシャフトなどはワンオフ品だ。
しかし、可能な限り本物のWRカーパーツを使うことにGC8kaiさんはこだわった。タービンやインタークーラーなどを始め、エンジンルームには本物の実戦パーツたちが顔を見せる。足元からはAPレーシング社製のキャリパーが顔を覗かせるが、このキャリパーも本物で、なんと水冷キャリパーとなっている。実戦パーツはアフターパーツとは異なることを思わせるパーツのひとつだ。