佐々木選手がプロデュースしたハイセンスな仕様
東京オートサロンでベールを脱いだトヨタの進化型「GRヤリス」。発表された変更点は、スタイリングやインテリア、出力アップなど、マイナーチェンジや一部改良という言葉では言い表せないほど衝撃的な内容で、まさに「進化型GRヤリス」という言葉がしっくりくるものでした。
レースでのノウハウを惜しむことなく投入
じつはGRブースには2台のGRヤリスが展示されていて、1台はノーマル。もう1台はエアロパーツなどが装着されたカスタマイズ仕様であった。どちらも正式発表前のプロトタイプなので、気がつかなかった人も多いかもしれない。
カスタマイズされたGRヤリスには「RR×GROW Concept」と名付けられていた。RRとは「ROOKIE RACING」の略で、GROWは佐々木雅弘選手がプロデュースするパーツブランドである。つまりルーキーレーシングと佐々木選手のダブルネームのGRヤリスということなのだ。
GROWは、これまでに「GR86」や「GRカローラ」用パーツを登場させてきている。今回のRR×GROWについても、コンセプトはこれまでの車種と同じ。ノーマルでは表現しきれない部分に佐々木雅弘選手流のエッセンスを加えることで、純正オプションとはひと味違うクルマに仕上げるというものである。
純正オプションとはひと味違うこだわりのパーツ
RR×GROWに装着されていたパーツは、エアロキット(フロントディフューザー、サイドディフューザー、フロント&リアオーバーフェンダー、リアスポイラー、リアディフューザー)、エンジンフード(カーボン製バルジ付き)。
マフラーはGROW×FUJITSUBOコンセプトモデル、スプリングは、GROW×HAL springsコンセプトモデル、ホイールはProdrive GC-010V(9.5×18 IN40)、タイヤはポテンザRE71RS(255/35R18)を履く。
「GROWのパーツは、GR86から始まっていて、基本は僕が格好いいと思えるデザインをGRと競技しながら開発しています。例えばこのクルマを真後ろから見たときに、リアタイヤが半分見えるようなスタイルを僕はカッコいいと思っています。だからオーバーフェンダーを装着して、ワイド感を強調するようなフォルムを狙っています。純正ダンパーとのマッチングを考えて開発したローダウンスプリングで約20mm車高が下がっています。とくにこだわったのはマフラーの出口部分で、昔流行った斜め出しを採用しています。正面から見ると、マフラーのテールが真っ直ぐ出るのではなく、広がって見えるようになっています。ヤンチャな感じになって格好いいでしょ」
と佐々木選手は語ってくれた。RR×GROWのエアロパーツは、全体的にとてもシンプルだがノーマルと比較すると、明らかにレーシーな雰囲気が高められている。展示されていたデモカーのボンネットはGRMN仕様。リアウイングはプロトタイプで、翼端板には右にROOKIE RACING、左にGT-FOURのロゴが刻み込まれていた。製品モデルは可変式になる予定だという。
ルーキーレーシングとGROWのダブルネーム。レースシーンからのフィードバックという意味から考えると、かなり魅力的なパーツと言える。ディーラーで購入できるようになる予定とのことなので、発売が待ち遠しい。