クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CUSTOM
  • 予算100万円!! ホンダ「ストリート」を草むらから救出してハヤブサのエンジンを搭載! ワイド&ローボディに仕上げました
CUSTOM
share:

予算100万円!! ホンダ「ストリート」を草むらから救出してハヤブサのエンジンを搭載! ワイド&ローボディに仕上げました

投稿日:

TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

  • エアサス用のバッグを使い、ワンオフのボディアップエアバッグとして活用している点もポイント
  • エンジンはスズキ GSX1300R HAYABUSA(GW71A型)用の水冷4サイクルDOHC4気筒で、排気量は1299cc。最高出力は175ps/9800rpmだ
  • リアサスペンションやブレーキは、フォーミュラ隼用。フロントサスはワンオフのプッシュロッド式だ。ホイールはワークのGOOCARS HEMI。サイズはフロントが15×5.5J+43、リアが15×10.0J+35。タイヤはHoosierで、サイズはフロントが23×5.0 15、リアが28×10.0 15
  • ステアリングホイールはムーンアイズのGrant(φ20)。1人乗りとなる座席はアルミボンバーシートで、メーターはワンオフだ
  • 細部に至るまで作り込まれており、ディテールも美しい。各部がスムージングされている点も特筆すべきポイント
  • ボディの左サイドに車内に出入りするためのドロップダウンドアがある。人が乗っても大丈夫(?)
  • ホンダ ストリートのボディが25cmワイド化されており、リアスタイルも大迫力
  • セクショニングやチョップトップと呼ばれるカスタム手法を駆使し、全高を極端に縮めている。まるでミニカーのようだ

独創的な学生の作品を発見

東京オートサロン2024が2024年1月12日~14日までの会期で開催された。会場は、これまでと同じように幕張メッセだ。1983年に東京エキサイティングカーショーとしてスタートした当初はチューニング/ドレスアップショップの出展がメインだったが、1990年代後半から自動車メーカーも大々的にブースを展開。昨今は、ハイクオリティなコンセプトカー、独創的なチューニングカーおよびドレスアップカーの共演を楽しめるようになっている。

3車をベースに予算100万円で完成させた

今回も、大手自動車メーカー、名の知れたチューナー、そして、自動車学校といった出展者がワクワクできるクルマを披露したが、なかでも静岡工科自動車大学校が予算100万円という制約の中で造り上げた「HOT ROTY」は見る者を驚愕させるドレスアップコンパクトカーであった。

どうやって造ったのか、まったくイメージできなかったので、とりあえずHOT ROTYの真横に掲げられていた展示プレート(説明板)の車両製作コンセプトを読んでみたら、このようなことが記されていた。

「ホンダ アクティとホンダ ストリート、そして、フォーミュラ隼をベースにアメリカンなカスタムを施したゲテモノ雑種号。これに乗ればきっと君も、畦道最速間違いなし!!」

残念ながらこの文章を読んでも完成までのプロセスをイメージできなかったので、HOT ROTYの近くにいた学生さんにインタビューしてみた。すると、このように回答してくれた。

「オートサロンに展示するカスタムカーを何にしようか? とみんなで相談しているときにさまざまなアイデアが出ましたが、HOT ROTYのコンセプトが一番面白そうだ! ということで夏休みの終わりぐらいから造り始め、12月の終わりに完成しました。ここにあるクリアファイルに製作過程が書かれているので、よろしかったら、ご覧ください」

ワイド&ローボディ完成までの道程

おー、それはありがたい、と思ってクリアファイルを拝見してみたら、生徒が「草ヒロ」(草むらのヒーロー)になっているホンダ ストリートを救出するところを起点として、製作過程が順を追って書かれていた。簡単に説明すると、こういうことだ。

まず、救出したホンダ ストリートを学校に持ってきて全ばらし。その後、レシプロソーやグラインダーなどを駆使してフロアを切断。以前、静岡工科自動車大学校にて使用していたフォーミュラ隼のエンジンがかかることを確認しつつ、こちらも分解。元のフレームをベースとし、新しく製作するボディに合うように足まわりやフレームの構造を変更した。

続いてホンダ ストリートのボディを水平方向に切り、全高を縮めるセクショニングと呼ばれるカスタムを実施。縮めた幅は32cmで、それと同時にフロントのホイールハウスを約13cmほど前方に延長した。

次に行ったのはチョップトップと呼ばれるルーフを低くするカスタムで、同時にボディの幅を広げる加工も実施。チョップトップは25cm、広げた幅も25cmで、見事にワイド&ローボディが完成したが、チョップドする際にピラーをすべて移動しながら角度を調整し、ルーフを広げる作業も行ったので、これが一番大変だったそうだ。なお、この改造を行うにあたって、生徒の愛車だったアクティを部品取りとして使用したらしい。今回の東京オートサロン2024で話題となったので、献体となったアクティも成仏したはずだ。

車体は鉄パイプで補強し、ボディマウントにエアサス用のバッグを使用することで車高を調整できるように加工した。一旦ボディにサフェーサーを塗り、仮組みして11月のカーイベントにて展示し、ここでアワードを受賞。細かな部分は、このイベント後に作り込んでいった。

ボディのカスタム塗装は、まず、ベースとなるホワイトを塗布。次にファイヤーパターンのマスキングを生徒がほぼフリーハンドで仕上げて紫で塗装し、マスキングを剥がした後にクリアを乗せた。そして、今度はホワイトの部分をマスキングし、紫の上にクリアのビーストを塗布。チッピング塗装を施しつつ、その上からもう一度紫を上塗りするなど、塗装にもこだわっている。最後にボディとシャシーを合体させ、フォーミュラ隼のエンジンを載せて完成させたそうだ。

今後、静岡工科自動車大学校のSNSなどで走行シーンを拝むことができるかもしれないので、動向を注視することにしよう。

すべて表示
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS