小学生から家族で参加していた「ミルキーウェイ」ラリーに、姉妹だけで初参戦
四国路を舞台にしたヒストリックカーによる「ミルキーウェイ ブルーアイランド ラリー(以下ミルキーウェイ)」が2023年11月11日~12日に開催された。この地で長く続いているイベントということもあり、ほとんどが約30年の歳月とともに齢を重ねたエントラントたち、その中に元気いっぱいの2人の女の子を見つけた。
ルノー8ゴルディーニは物心ついたころからあるファミリーカー
フレンチブルーの1967年式ルノー「8(ユイット)ゴルディーニ」(以下ゴルディーニ)にカメラを向けると、即座に笑顔でポーズを決めてくれたのは、井戸田葉月さん&双葉さんの双子の姉妹だ。
「このゴルディーニは物心ついた時から家にある、私たち姉妹にとってはファミリーカーであり、憧れのクルマでもあります。そのゴルディーニを運転して大好きなミルキーウェイに出ることができ、とても嬉しいです」
と葉月さんが言えば、
「小さい頃から家族で参加していたミルキーウェイですが、初めての姉妹での参加、少し不安もありますが感慨深いですね」
と双葉さん。姉妹にとって、幼少期より両親と参加していたミルキーウェイは特別な思いが詰まったイベントなのだ。
「初めて参加したのは小学校1年生の時で、その時はずっと寝ていたので覚えていませんが(笑)、今回で9回目のミルキーウェイです。そういえば四国に渡るフェリーで配線が燃える事件もありました! ラリーもすごく楽しいのですが、パーティでの企画やスタッフのトークの面白さ、たくさんの思い出があります」
「シートがふかふかで、たしかにとても寝やすかったね」
と姉妹。
今回エントリーをしてから、初めてゴルディーニの運転を練習した時は、発進にも手間取ったという葉月さんだが、「ゴルディーニを運転するようになるなんて……」「2人で参加するのもいい経験だね」という両親の言葉も嬉しかったそうだ。
今回の競技は葉月さんがドライバーで、コマ図を読むナビは双葉さんと、それぞれ役割分担しながら2日間の四国路を楽しむ。
葉月さんは自動車大学校でメカニック目指して勉強中
多くのエントラントが談笑しているチェックポイントでエンジンルームを開けて、キャブレターの蓋にガソリンの滲みを見つけ、増し締めをする葉月さん。聞けば親元を離れ現在、自動車大学校の1年生だという。
「家のクルマが故障しても直せるようにメカニックを目指してるんだよね」
と、隣り合わせたゴルディーニ仲間で、幼少期からの姉妹を知る丸山さんが冷やかす。
「故障といえば初めてナビをしたのは5年前の中学2年生の時だったんですけど、初日2位という好成績で大喜びしていたのですが、2日目にセルモーターが壊れてクルマが動かなくなった残念な記憶は残ってますよ」
と葉月さんは笑う。
はたして丸山さんの言うように、時折見せるヒストリックカーならではのトラブルが、葉月さんがメカニックを志す理由になったのか、話を聞いてみた。
「中学生の時、初めて見に行ったスーパーGTで、ドライバーよりもメカニックの姿がカッコよく感じたのがメカニックを志した理由です。将来は、ヒストリックカーも対応できるメカニックになりたいですね。そして、私自身が小さい頃からヒストリックカーのある生活を楽しんでいたので、その魅力をメカニックとして多くの人に伝えられるようになりたいです」