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ベントレーが全世界で1万3560台の販売を達成! 主力の「ベンテイガ」が健闘し、マリナーオプションが好調でした

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TEXT: AMW  PHOTO: Bentley Motors

  • アズール、S、スピードなどのデリバティブモデルの販売比率も2022年の30%から70%に上昇した
  • イギリスはハイブリッド比率が一番高く、GTを含めた全販売台数のうちの27%がハイブリッド車だった
  • 昨年から通年で販売されたベンテイガEWBが好調な販売を記録
  • 2023年のベントレーは過去3番目の高水準となる1万3560台を全世界で販売した
  • ビスポーク部門であるマリナーのオプションの装着率が高まった

ベントレー、2023年も好調な販売実績を達成

2023年のベントレーは過去3番目の高水準となる1万3560台を全世界で販売しました。惜しくも販売台数の記録を塗り替えることはできませんでしたが、ベントレーモーターズの会長兼CEOであるエイドリアン・ホールマークに焦りの色はありません。2023年の販売についてどのように総括しているのか探っていきます。

過去3番目の販売実績

2023年のベントレーの全世界での販売台数は対前年比11%減の1万3560台となった。アジアパシフィックが5%増、中東・インド・アフリカ地域が2%増と健闘したものの、主要マーケットであるアメリカで373台、中国で649台、ヨーロッパで433台ほど前年販売台数を下回っている影響が大きかった。ベントレーのお膝元のイギリスも272台販売を落とし、中国と並び18%減の最大の落ち幅を記録した。

ベントレーモーターズの会長兼CEOであるエイドリアン・ホールマーク氏は

「ラグジュアリー市場は、2023年後半に世界中で見られた厳しい市場環境から免れることはできなかった」

とコメントしており、外部的な要因で一部のマーケットの需要が落ち込んだことが原因と分析している。

台数こそ前年に比べ1600台ほど落ち込んだものの明るいニュースもあった。そのひとつはベントレーのビスポーク部門である「マリナー」のオプションの装着率が高まったことである。通常モデルでも460億通りのオプション組み合わせがあるベントレーだが、さらにそれ以上のオプションを選んだ人が、じつに全顧客の3/4もいたということだ。マリナーオプションの発注数は前年に比べ43%ほど増加したという。

また、本格的な導入が始まったアズール、S、スピードなどのデリバティブモデルの販売比率も2022年の30%から70%に上昇したという。

つまり、台数は落としたが、高い収益性のあるマリナーとデリバティブモデルが好調だったため、ベントレーにとっては11%減も収益的にはそれほど大きな打撃にはならなかったのかもしれない。

主力モデルはやはりベンテイガ

モデルでいうと、昨年から通年で販売された「ベンテイガEWB」が好調な販売を記録し、ベンテイガシリーズの中でも1/3の販売を占める主力車種となった。EWBの好調な販売をうけ、ベンテイガはベントレーの販売全体の44%を占めている。「コンチネンタルGT」シリーズの比率は31%、「フライングスパー」25%だったが、SUV一辺倒にならずクーペもサルーンも安定した販売ができているのがベントレーの強みだと言えるだろう。

ベンテイガとフライングスパーの顧客の1/4はハイブリッド車を選んだが、中でもイギリスはハイブリッド比率が一番高く、GTを含めた全販売台数のうちの27%がハイブリッド車だった。

前出のエイドリアン・ホールマーク氏は、市場およびモデル別の世界的な需要は引き続き旺盛であり、ハイブリッドモデルへの関心も高く、今年もさらに多くの需要が見込まれることから、今後1年間については慎重でありながら楽観的な見方を続けていきたいと述べている。

2023年の受注残も多いと言うが、EVシフトに向けて既存モデルの生産を縮小しているのが現状であろう。2024年にベントレーがどのような魅力的なモデルを発表するか注目していきたい。

AMWノミカタ
ベントレーの昨年の販売は11%減少したが、これは外部要因による需要減だとベントレーは分析している。コンチネンタルGT、フライングスパー、ベンテイガともに発売から数年を経ていることを考えると未だにその商品価値を維持し続けていることが驚きである。EVシフトをにらみ、最後にビスポークの世界に顧客を誘導し、さらにデリバティブモデルの導入でメーカー、ディーラーに高収益をもたらせたことは2023年の大きな成果だろう。販売モデル数も少なくなった今年、顧客層の興味関心を維持できるプロダクトの発表があるのか期待したい。

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