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フェラーリの赤をまとったポルシェ「918スパイダー」があった!「ヒッピー・カラースキーム」という特別なカラーリングにつくプレ値は?

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

ボディカラーにはフェラーリの「ロッソ・コルサ」を採用

そして今回シールド・オークションに出品されたのが、3台目として唯一ヨーロッパにデリバリーされたもの。ベースカラーのレッドには、なんとライバルであるフェラーリの「ロッソ・コルサ」が用いられ、前後のマグネシウム・ホイールはホワイトに、ほかにもインテリアはイタリアンレッドのレザーで縁取られ、さらにビアンコレダのパイピングが施されている。ホワイトのステアリングホイールにはセンターマーカーも装備され、トランクとファイアーウォールはブラックのキルティングファブリックで縁取られ、リアウインドウも厚めのガラス製に変更された。

さて、ここでもうひとつ説明しておかなければならないのは、今回RMサザビーズ社が採用したシールド・オークションのシステムだ。これはある一定期間、入札者は直接、あるいは代理人を通じて(現在ではPCでも入札ができる)希望する落札価格をシールド、つまりほかの入札者にその価格を知られることなく入札できるシステム。もちろん基本は最も高い額を提示した入札者ということになるのだが、それだけに事前に同モデルのオークションでの落札価格を知ることも重要だ。

例えばこの918スパイダー ヴァイザッハ・パッケージならば、2023年の12月1日にアメリカのテキサス州ヒューストンで開催された「ホワイト・コレクション」で、同じ2015年式の918スパイダー ヴァイザッハ・パッケージが、走行距離12マイル(約19km)の状態で、393万7500ドル(邦貨換算約5億7880万円)で落札されている。

シールド・オークションであるがゆえに、入札価格がどの程度まで跳ね上がったのかは想像の域を超えないが、RMサザビーズは予想落札価格を165万~200万スイスフラン(同2億8050万円~3億4000万円)と見ていたようだ。オークションとは、まさに不思議な世界なのである。残念ながら落札者は現れず(つまり最低落札価格に達する入札はなく)、現在このモデルはRMサザビーズのプライベート・セールで販売が継続されている。

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