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【実録】充電スタンドがトラックに塞がれて使えない!? スバルのEV「ソルテラ」で東京~大分・往復2175キロを長旅レポート【往路・前編】

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TEXT: 雪岡直樹(YUKIOKA Naoki)  PHOTO: 雪岡直樹(YUKIOKA Naoki)

ソルテラ/bZ4Xはプログラムアップデートで急速充電の回数がアップ

じつはスバル ソルテラとトヨタbZ4Xの初期型では充電に制限がかかっていた。1日に急速充電ができる回数が2回程度になっており、3回目以降は速度制限がかかり、充電はできるがそれほど早く大容量の充電ができなかった。

多くのユーザーの要望により、トヨタとスバルはプログラムを改善し、急速充電の回数を今までの2回から2倍程度にした。さらに充電率80%から100%になるまでの速度の改善。メーター表示が従来はバー表示のみだけだったが、%表示で視覚的に残量が分かるように改善。というプログラムのアップデートを行った。これはディーラーに行きアップデートする必要がある。

今回の長距離移動では1日に何回も急速充電を行うことが分かっていたので、このアップデートを行ってから行くことにした。そのおかげもあり1日に何回もの急速充電を行っても制限が受けにくくなっている。

かくして新宿を水曜16時に出発した時は走行可能距離が85%・349kmと表示されており、静岡くらいまでは行ける計算だ。もちろんエアコンは常にオンで身体的にも無理をしない。エアコンオフにすれば航続距離が伸びるのは分かっているが、それはやはり不自然に思える。ガソリン車でもエアコンは常にオンが常識だと思っているので、BEVだからと考えず普通に使いたいと思っているからこそエアコンはオンだ。

新宿から首都高に乗り東名高速を走り新東名高速の浜松SAを目指す。ここは150kW充電器2口と90kW充電器6口があり、BEVユーザーならここを目指す人も多いだろう。

浜松SAに19時に到着した際は走行可能距離が18%・77kmという割と攻めた感じでの到着となってしまった。しかし150kW充電器のおかげで30分で79%・325kmまで復帰。充電量は40,992kWhと、さすが150kWという充電ができた。しかしこの先150kW充電器は無く、あっても90kWが最高出力になる。

深夜のPA、あふれたトラックが充電スペースを塞いでいた!

次に目指すのは名神高速の草津PAだ。ここは90kWが2口と50kWが1口ある。到着した時は走行可能距離は25%・103kmとなっていた。そして到着したのが23時すぎということもあり、トラックが駐車枠からあふれており、50kW充電器の入口を塞いでいた。幸い90kWの入口は塞がれていなかったが、トラックの影に隠れて入口がわかりにくくなっていた。

トラックの駐車スペース不足が社会問題になっており、トラックドライバーに同情する余地はあるが、こちらは充電器を塞がれてしまうと電欠になり身動きすらできなくなる。

BEVはまだそれほど多くなく、充電器周辺は空いていて止めやすいと思えてしまうが、ドライバーや社会の認知が進まないとこのような問題が起きてしまう。トラックはもちろん普通車であっても、ぜひとも充電器周辺への駐車はご遠慮いただきたい。

30分33.6kWh分の充電を行うと、走行可能距離は76%・305kmとなった。次に目指すは岡山周辺だ。山陽道は途中で火災による通行止めの回避をしなくてはならない。龍野西で降りて国道2号線を走るか、中国道へ迂回しその先で山陽道に復帰するかだ。

ちなみに中国道へ行かないのは、SA/PAの充電器が少ないことと、万が一充電器の故障や他車により充電できなかった際の回避策が少ないためだ。一般道へ降りたとしても山間部にディーラーがあり充電できるとは限らない。山陽道ならば市街地にも近くディーラーへの回避もしやすい。そんな理由から山陽道を走っていく。

火災通行止め区間を避けて一般道、そして岡山市内の日産ディーラーへ

さて火災通行止めを回避するため、日付けが変わった木曜の午前1時すぎに龍野西で降りて一般道を走ることにした。この時点で走行可能距離が30%・122kmだ。通行止め区間を越えて再び山陽道に乗り直し吉備SAを目指そうとしていたのだが、その時に別の事故通行止めが発生していて、めざす吉備SAよりも手前で再び高速を降りることになってしまった。

これは予定外だ。残充電量を考えると、一般道を走り再び高速に乗り吉備を目指すほうが良いのか、岡山市内のディーラーに行き充電を行った方が良いのか悩ましい。結果、岡山市内の日産ディーラーを目指すことにした。これが意外に遠くディーラーに到着したときは午前3時。走行可能距離は7%・33kmとかなりギリギリになってしまった。

夜中だったおかげでディーラーまでスムーズに行けたが、これが昼間だったらもっと深刻に充電量は減っていただろうし到着しない可能性もあった。手前のSA/PAでちょい足し充電をしておくべきだったと反省。

手前でちょい足し充電をしておくべきだったと反省

到着した岡山の日産ディーラーは90kW充電器のため30分で35.8kWh充電できた。再び山陽道に乗り直し当初目指していた吉備SAにすぐに到着した。この時点で走行可能距離は61%・241kmだ。

高速を降りて一般道を走りディーラーで30分充電を行い再び高速に乗る。この時間だけで1時間ちょっと使ったことになる。であれば、高速のSA/PAにある40kWの充電器でちょい足しをして吉備SAを目指せばもっと短時間で済み、こんなに焦ることもなかっただろう。ついつい大容量充電器で大量に充電しようという気持ちが、このように無駄な時間を使うことになってしまった。

ということで無事に山陽道吉備SAに午前4時に到着。90kWが6口あるので、ここなら車両の電池が減ってもなんとかなるだろうと判断し仮眠を取ることにした。(往路・後編に続く)

※充電器の設置状況は2023年10月現在の取材時の状況です。

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