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「国さんは神様です」50連勝の「ハコスカGT-R」を再現したオーナーが愛車に秘めた想いとは

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 佐藤亮太(SATO Ryota)/奥村純一(OKUMURA Junichi)/佐藤正勝(SATO Masakatsu)/宮越孝政(MIYAKOSHI Takamasa)/神村聖(KAMIMURA Satoshi)

  • JCCAで走っていたので内装もレーシー
  • バケットシートを装備している
  • 消火器も積んでいる
  • スリックタイヤは新品に交換をしてきた
  • 高橋国光選手が現役時代に実際に使用していたヘルメット
  • S20エンジンのカムはレーシング
  • 日産スカイライン2000GT-R:ブレーキも新品にしてきたという
  • 日産スカイライン2000GT-R:サイドマフラーは直管を造ってきた
  • レーシングドライバーの土屋圭市さんもドライブ
  • 左がオーナーの内田さん
  • 内田さんもコースイン
  • S20エンジンの排気音を天国の国さんに届けた
  • 直結5速のクロスミッションを巧みに操作
  • 土屋圭市さんのようなレーシングドライバーがドライブしても楽しめる仕様だ
  • 筑波、富士、鈴鹿でデフを交換するなど、セッティングを変更して本気で走っている
  • サインボードを出すなど、内田さんも大いに楽しんだ
  • 高橋国光選手とハコスカのことが好き過ぎるふたりの共演を国さんも見守っていたはず
  • 箱車の祭典2023では、ライバルだったハコスカGT-Rと絡むシーンも
  • 富士スピードウェイの1コーナーでハコスカGT-Rをオーバーテイクし、2コーナーを目指す
  • 国さん仕様のハコスカGT-Rと走る姿は、懐かしのワンシーンを思い出した方も多いはずだ
  • 1972年式のハコスカをベースとしてGT-Rの50勝記念車を1980年代に製作
  • 高橋国光選手の追悼ランとして走行

国さんの功績を後世に遺したい

去る2023年10月29日に富士スピードウェイを会場として『POWER&TORQUE』という名のイベントが開催され、その中で箱車レーシングカーの走行枠が設けられました。『箱車の祭典2023』と銘打って実施された走行枠は、1990年までの純レーシングカーによるClass 1と、1990年までの市販車ベース車両によるClass 2が設定され、前者はGr.CカーやGCカーなど、後者はツーリングカー、TS、ワンメイク車両などが対象となりました。

自分が造ったレーシングカーに国さんが乗ってくれた

高橋国光選手への追悼ランとしてClass 2でコースインした日産スカイライン GT-Rは、1972年式をベースとし、ハコスカ専門店のVICTORY50(内田モーターワークス)代表の内田幸輝さんが製作したもので、国さんのことを愛してやまないレーシングドライバーの土屋圭市さんもドライブ。 秋晴れの富士スピードウェイを愛弟子のドライブで全開で走るS20エンジンのエキゾーストノートを天国の国さんに届けることができた。

「国さんとハコスカのことが好き過ぎて、GT-Rの50勝記念車を1980年代に製作しました。国さんと初めて会ったのは1999年のことで、引退式典のときにこの50勝記念車をドライブし、富士スピードウェイの50周年のときもハコスカの50勝で祝いたいと再び乗ってくれました。今回は土屋さんが乗ってくれたので、もうひとつの夢も叶いました。自分のクルマが全開で走っている姿を見る機会はなかなかないので、国さんが走っているような気分になりましたよ」

そのように話してくれた内田さんによると、国さんが現役バリバリのレーシングドライバーとしてハコスカに乗っていた頃からテレビで観ていたらしく、その後、実際に会った国さんは人としてもドライバーとしても大変尊敬できたそうだ。

「国さんは神様。自分が造ったレーシングカーに国さんが乗ってくれるとは夢にも思いませんでした。50勝記念車はJCCAで実際にモータースポーツをやっていたので、ミッションは直結5速のクロス、カムはレーシングで、筑波、富士、鈴鹿でデフを交換するなど、セッティングを変更して本気で走っています。安全装備もしっかりしており、常に一週間前から各部を調整していたので、国さんも安心して飛ばしてくれました。今回も追悼ランをするためにずっと整備していましたよ。ブレーキは新品。スリックタイヤも新品。サイドマフラーは直管を造ってきました。国さんの功績を後世に遺したい、国産車の素晴らしさや歴史を知ってもらいたい、イイ音させて気にしてもらって、若い人たちには、このクルマは何? というところから入ってもらって、ベテランには懐かしいよね、と思ってもらえればいいと考えている」

内田さんは、このようにも話してくれた。

「モータースポーツの歴史を今回の箱車の祭典のようなイベントで知ってもらうのは大事なことだよね」

次回の箱車の祭典に向け、いろいろ考えているとのことだったので、何を披露してくれるのか期待したいと思う。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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