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車好きなら死ぬまでに訪れたい場所「ヘリテージハブ」にはマニア垂涎のクルマばかり!【週刊チンクエチェントVol.29】

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TEXT: 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)  PHOTO: 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)

イタリア車ファンなら必見の内容

そのテーマは、今回訪ねた時点では8つ。意訳するなら「競技車両と速度記録車」「コンセプトカーとワンオフ&カスタムメイド」「テクニカル・マスターピース」「エコ&サスティナブル」「スモール&セーフティ」「デザインのマイルストーン」「壮大なアドヴェンチャー」「ラリーの時代」っていうところだろうか。ここはチンクエチェントとそれにちなんでフィアット&アバルトに関して取り上げる連載だから他ブランドにはあまり触れないようにしておきたいところだけど、ランチアの歴史的レーシングカーやラリーカーなんてほかにどこで観ればいいわけ? ってなところだから、もういくらだって眺めていられる。

当然ながら、フィアットらしい小さく魅力的なクルマたちもたくさん収蔵されている。例えばアバルトが最初に手掛けたチンクエチェントのチューンドカーだったり、2007年発表の現行チンクエチェントのコンセプトカーだった“トレピウーノ”だったり、ザガートがデザインスタディとして現行チンクエチェントのルーフラインをアレンジした“500クーペ・ザガート”だったり、さらには様々なイベントのために特別なカラーリングが施されたチンクエチェントなどだったり。もうそのあたりを観てるだけでもめちゃめちゃ楽しい。

ここを訪ねるのは3回目だったのだけど、やっぱり今回も時間がたりなかった。もっとジックリ観たいクルマとかもたくさんあったのだよなぁ……。いや、もう、それくらい圧巻なのだ、このヘリテイジ・ハブ。

そういうわけなので、ここはチンクエチェント・ファンもフィアット・ファンもそうじゃないけどイタ車ファンっていう人も、必見。イタリアへ旅行する計画があるなら、絶対にスケジュールに入れるべき場所だと思う。

いや、実は以前の2回のときにはまだ施設が“いずれ公開する予定”という段階で、メディアの人間だから入れてもらえたという後ろめたさみたいなものがあったのだけど、コロナ渦があけて、今では一般公開がはじまっている。といっても見学できるのは金曜日から日曜日の間だけだし、好き勝手に見て回れるわけじゃなくてイタリア語か英語のガイドツアーが基本だし、事前に日を選んで登録してチケット買っておかないとならないし……と、思いのほか制約が多くて面倒だったりする。チケット代も大人ひとり26ユーロと安くはないけれど、それを押しても観に行くべき価値は間違いなくある。

以下に見学できる日程が表示されていたりチケットを買えるページにアクセスできたりするWeb SiteのURLを貼り付けておくので、行くぞー! という人はそっちを細かくチェックしてみていただこう。

◎ヘリテイジ・ハブ/チケット関連サイト

https://museoauto.vivaticket.it/en/event/heritage-hub/186516

ついでにヘリテイジ・ハブの情報サイトも。

https://www.fcaheritage.com/en-uk/heritage/places/heritage-hub

というわけで、次回はもうひとつ、トリノに行くなら絶対に訪ねるべき施設があるので、そっちを紹介してから本編に戻ることにしよう。……体力が回復して取材ノートが見つかったら、だけど。

■「週刊チンクエチェント」連載記事一覧はこちら

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  • 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)
  • 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)
  • 『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー雑誌の『ROSSO』やフェラーリ専門誌『Scuderia』の総編集長を歴任した後に独立。クルマとヒトを柱に据え、2011年からフリーランスのライター、エディターとして活動を開始。自動車専門誌、一般誌、Webなどに寄稿するとともに、イベントやラジオ番組などではトークのゲストとして、クルマの楽しさを、ときにマニアックに、ときに解りやすく語る。走らせたことのある車種の多さでは自動車メディア業界でも屈指の存在であり、また欧州を中心とした海外取材の経験も豊富。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
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