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【実録】回生を多用すると「パカパカブレーキ」が後続車に迷惑かも!? スバルのEV「ソルテラ」で東京~大分・往復2175キロを長旅レポート【往路・後編】

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TEXT: 雪岡直樹(YUKIOKA Naoki)  PHOTO: 雪岡直樹(YUKIOKA Naoki)

新宿~オートポリスは25時間・1219キロ、ガソリンもBEVも大差なし

15時半に熊本インターのミスターマックスに到着した時には走行可能距離25%・98kmとなっていた。飲み物などを買い出ししながら29.60kWh充電し70%となった。ひとまず山登りをしてオートポリスを目指し、どの程度山登りで電池を消耗し、山下りでどの程度回生ブレーキで電気が充電できるか確認することにした。

山登りをしながら撮影をしているとそこそこ電気を消費してしまい、オートポリスに到着した時は17時になり走行可能距離は54%・209kmとなっていた。山登りで16%分消費するということが分かった。

さらっと到着したと書いたが、水曜の16時に新宿の都庁を出発し木曜の17時にオートポリス到着ということで25時間で1219kmを走破した。意外と言ってはなんだが、ガソリン車でも24時間計算で走っているので、BEVで25時間で到着したということは、ガソリン車でもBEVでもそれほど差がないということになった。

ここまで浜松SA・草津PA・岡山日産・吉備SA・宮島SA・壇ノ浦PA×2・熊本ミスターマックスと8回の充電で到着した。どこも30分フルに充電しているので、30分×8回で240分=4時間分を充電に費やしたことになるがそれでも25時間で到着だ。

ガソリン車でも24時間計算なので、この違いはおそらく仮眠時間の違いだろう。今回BEVでは結果的に仮眠は2時間少々しかとれていないが、30分の充電時間中に15分とかの短時間仮眠をとっているところもあるので、純粋な仮眠時間としては2時間少々しかないが意外に休めている。

ガソリン車とBEVでほぼ差がなく到着という結果になり、8回充電というとものすごく大変のように感じられるかもしれないが、ガソリン車のときでも2~3時間に1回休憩をとっていることと、ガソリン車と同じような速度で走っているので、BEVでも苦痛ではないということが分かった。

山下りでは回生ブレーキを駆使すればほぼ電気消費なしで走行OK

オートポリスまでの山登りでの電気の消費量がおおまかに分かったので下山することにした。オートポリスを54%で出発し山下りをして、宿を通り過ぎてミスターマックスまで渋滞にハマりながら移動した結果45%となった。ほとんど回生ブレーキで充電できずに帰った感じだ。ここで再びミスターマックスで充電を行い84%まで復活させ明日以降に備えることにする。

山登りではアクセルオンに対し、4輪で加速をすることで鋭い加速を見せてくれる。アクセルオフで減速しコーナリングに入ると、低重心の車両とがっちりとしたボディのおかげで物凄く山登りが楽しい。グングン加速しながらすいすいコーナリングしてくれる。ガソリン車ではアクセルオンからどう頑張っても微妙にワンテンポ遅れて加速するが、BEVは瞬時に加速していく。これは楽しい乗り物だ。しかしその分電気は消費してしまうのが仕方ないところ。山下りで回生ブレーキで電気を回収できれば良いのかもしれない。

初日の山下りでの回生方法は自分の操作が悪かったのかもしれないと思い。翌日の金曜~日曜まで大津からオートポリスまでの登り区間は電気を消費してしまうが、帰り道の下り坂の走り方を研究してみた。

スバルはS PEDAL DRIVEと呼称しているいわゆるワンペダル操作や、回生ブレーキの強弱をコントロールするパドル操作などで回生ブレーキが作動する。ワンペダルとパドルの使い分けを日替わりで使い込んでみた結果、金曜日は67%でオートポリスを出発し大津到着で65%。土曜日は49%でオートポリスを出発して大津到着で45%。日曜日は68%でオートポリスを出発し64%で大津に到着している。

つまりうまく回生ブレーキを使っていけば、若干電気を消費したとしても、収支としてはほとんど電気を使わないで帰ってこられることが分かった。欲を言えば消費した以上に回生ブレーキで電気を回収できると、翌日もう少し余裕が生まれるのにとは思えたが、ソルテラの回生ブレーキはそこまで強く回収できないようだ。

ちなみに、金曜~日曜までの間でミスターマックスの90kW充電器を使ったのは土曜日1回のみだった。回生ブレーキで電気を回収できると翌日の往復程度なら問題ないことも分かった。

「パカパカブレーキ」状態で後続車に申しわけない気にも……

しかし、この回生ブレーキを多用することで意外な問題点を見つけた。ワンペダル操作や回生ブレーキを使うと、ブレーキ操作と同じく減速していることもあり、ブレーキランプが点灯する。これが山下りをしている間ずっと点灯していると、後続車に対して眩しいブレーキランプを浴びせ続けることになってしまう。

道路上に何もブレーキを踏む要因が無いにも関わらずブレーキランプを点灯する、いわゆる「パカパカブレーキ」と称され意味不明なブレーキランプ、として後続車からしてみると不快な行動と言われネットなどで一部問題視されているのと同じ様な状態になる。

回生ブレーキでは一定の減速量になると安全性の観点からブレーキランプが点灯するが、このパカパカブレーキと同じ現象になってしまう。ソルテラはブレーキランプがLEDとなっており、設置場所も高いため後続車のドライバーに対して強烈なブレーキランプを浴びせ続けるのは乗っていて心苦しい感じになった。

しかし普通にブレーキを踏んでも同じようにブレーキランプは点灯する。こちらはBEVのため回生ブレーキでいくばくかの電気を回収したい。そう思うと回生ブレーキは必須だしブレーキランプは点灯し続けてしまう。なんだかモヤモヤしながら毎日山下りをする結果となった。良い解決方法はないものだろうか。(復路編に続く)

※充電器の設置状況は2023年10月現在の取材時の状況です。

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