サーキット派に人気のNAPAC走行会
2024年11月8日、富士スピードウェイで恒例のNAPAC走行会が開催されました。毎回受け付け開始直後に枠が埋まってしまうこのイベントの人気の秘密は、講師陣が豪華なことや参加費が割安であることに加えて、NAPAC加盟企業のブース出展があり、イベント特価で買い物ができるというところにもあります。このブースでの買い物は走行会に参加しなくてもオッケー。富士スピードウェイの入場料を払ってでもお得な買い物ができるとあって、この展示ブース目当てで富士スピードウェイを訪れる人もいるくらい。今回は、その物販ブースではなくて走行会に参加した熱いオーナーを紹介します。
NAPAC走行会に参加した2台のDR30
NAPAC走行会に参加していたクルマの中から、2台のDR30を紹介したい。長くシングルカムカウンターフローのL型エンジンを搭載していたスカイラインだったが、新開発のDOHC4バルブ4気筒のFJ20Eを搭載したDR30型2000RSは、走りこそスカイラインの本分である、ということを再認識させたクルマだった。
さらに日産は1983年2月、このFJ20Eにターボチャージャーを装備したFJ20E-Tを搭載した2000ターボRSを投入することで、動力性能を大幅にレベルアップさせる。1年後の1984年2月には、インタークーラーを装備した2000ターボインタークーラーRS、通称RSターボCを発売する。
40歳代から50歳代の人にとって憧れだったDR30をベースにチューニングし、いまも元気にサーキットを走っているこの2台。NAPAC走行会には極力参加するよう心がけているそうなので、現場にいけば自分の目でその雄姿を確認できるはずだ。
ウレタン素材のデコラ製エアロを装着
黒古賀津夫さんがハタチのころに購入したDR30をベースにチューニングしているのがこのクルマ。ボディはロールケージを組むことで強化し、サスペンションはビルシュタイン製の車高調サスキットとしてトラクションを確保している。ホイールはR31ハウスの17インチをセットしている。インテリアにはレカロのセミバケとモモのステアリング、油圧や油温などの4連メーターを中央に、ブースト計はAピラー側にセット。ステアリングコラム上にはタコメーターを別付けしている。
外装で注目なのはサイドステップ。これは当時もののデコラ製エアロだ。そのころのエアロパーツは製作が簡単なFRPを素材とするものが主流だったが、デコラは衝撃に強く割れにくいウレタン素材を早くから採用していた。その本物を見たのはひさしぶりで、黒古さんいわく「ヘタしたらクルマより価値があるかも(笑)」。
エンジンチューンは、FJ20をメカチューンするのと同時にタービンをTo4Eとし、銀プロ改金プロで制御している。なんのことだと思った人は、F-CON V PROの進化の歴史をググってみると面白いかも。
パワーアップに伴ってラジエーターはアルミ3層に変更。より効率良く吸気を送るため、サージタンクはワンオフの大容量のものを装備している。
これまでのFSWのベストタイムは2分5秒台。ほぼ50年前のクルマだが、走りはまだまだ現役レベルだ。