当時のレースカーの仕様に近づける作業をコツコツ進めた
去る2023年10月29日に富士スピードウェイを会場として『POWER&TORQUE』という名のイベントが開催され、その中で箱車レーシングカーの走行枠が設けられました。『箱車の祭典2023』と銘打って実施された走行枠に参加していたマツダ「ファミリアR100ロータリークーペ」を紹介します。
箱車の祭典とは?
箱車の祭典には2つのクラスが設けられた。まず1990年までの純レーシングカーによるClass 1と、1990年までの市販車ベース車両によるClass 2で、前者はGr.CカーやGCカーなど、後者はツーリングカー、TS、ワンメイク車両などが対象となった。
小さな巨人と呼ばれたファミリアR100ロータリークーペ
Class 2にエントリーしたマツダ「ファミリアR100ロータリークーペ」は、1970年のスパ・フランコルシャン24時間レースに参戦し、ヨーロッパの強豪を相手に一時総合トップを走ったものの、優勝を目前にして残念ながらトラブルが発生。小さな巨人と呼ばれながらも勝利を逃した当時の仕様を忠実に再現したモデルだ。1947年生まれで76歳ということもあり、オーナーの加藤 仁さんは今回の箱車の祭典ではドライブしなかったが、ピットでお話を伺ったところ、このように話してくれた。
「若い頃にR100ロータリークーペにオーバーフェンダーやスポーツキットを装着して走っていましたが、車検を通せず、公認を取ってジムカーナを楽しんでいました。そんなときに1970年スパ24時間のリザルトを知り、いつの日にか自分もR100ロータリークーペでスパを走ってみたいと思うようになりました。
1984年からJCCAのレースに別のR100ロータリークーペで参戦するようになり、ジムカーナ用のパーツやスポーツキットを組み込みつつ、自分でエンジンをオーバーホールしたり、キャブを交換したり、といったように、いろいろ手を加えながら当時のレースカーの仕様に近づける作業をコツコツ進めました。
今回、箱車の祭典で走らせたR100ロータリークーペは20年ぐらい前に購入したものです。JCCAで走っているうちに今回33号車のドライバーを務めてくれた土井総介さんのお父さんである土井清壮さんと知り合ったんですよ」