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海外流出をストップ! マツダ「737C−001」は広島で大切に動態保全されていました

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 佐藤亮太(SATO Ryota)/奥村純一(OKUMURA Jyunichi)/佐藤正勝(SATO Masakatsu)/宮越孝政(MIYAKOSHI Takamasa)

  • コックピットは、まさに男の仕事場といった雰囲気
  • メーターのレイアウトはレーシーだ
  • ホールド性が高いバケットシートを装備
  • オーナーの伊藤さん
  • 13Bロータリーエンジンを搭載
  • 冷却系も機能するようにリセット
  • 1985年にマツダスピードのレースプログラムが終了した後、静岡マツダのレーシングチームに譲渡されていた
  • フロントサスペンションのジオメトリーを変更
  • 海外に出ていくことになっていたがコロナ禍で延期になり、現オーナーが入手した
  • マツダ 737C:1985年のル・マン24時間レースでC2クラスに参戦したクルマそのもの
  • マツダ727Cよりもシャシーに関してはホイールベースが80mm延長している
  • 伊藤さんがボロボロの状態からきちんと走れる状態に戻した
  • マフラーはセンター1本出し
  • 片山義美/寺田陽次郎/従野孝司組がドライブした737C-001だ
  • 白いボディのノーズにラッキーストライクの大きなステッカーが貼られていて、何か急ごしらえな印象がありますが、じつはこれも3日間で再生された証拠
  • 足まわりも含め、往時の仕様がキレイに再現されている
  • リアカウルはチルト式だ
  • 各部がレストアされている
  • マツダスピードのグループC2マシンによるル・マンチャレンジの集大成だ

当時の写真をもとに再現したリバリーを纏った1台

去る2023年10月29日に富士スピードウェイを会場として『POWER&TORQUE』という名のイベントが開催され、その中で箱車レーシングカーの走行枠が設けられました。『箱車の祭典2023』と銘打って実施された走行枠に参加していたマツダ「737C‐001」を紹介します。

箱車の祭典とは?

1990年までの純レーシングカーによるClass 1と、1990年までの市販車ベース車両によるClass 2が設定され、前者はGr.CカーやGCカーなど、後者はツーリングカー、TS、ワンメイク車両などが対象となった。

官能的なロータリーサウンドを響かせながら疾走

Class 1にエントリーしたマツダ 737C-001は、マツダスピードのグループC2マシンによるル・マンチャレンジの集大成で、実際に1985年のル・マン24時間レースでC2クラスに参戦したクルマそのものである。
オーナーの伊藤英彦さんは737C-001を3年ぐらい前に購入したのだという。

「もともと海外に出ていくことになっていたクルマなのですが、コロナ禍の影響でそれが先延ばしになっていました。それで、せっかくなら日本に残したい、広島で残したい、ということになり、譲ってもらうことができました」

伊藤さんが入手するまでのヒストリーを調べてみたら、1985年にマツダスピードのレースプログラムが終了した後、静岡マツダのレーシングチームに譲渡され、数年間、国内レースに参戦。その後、個人オーナーに譲られた、という記録が残っていた。

この個人オーナーが手放したことで別のマツダファンが引き継ぎ、どうやらここで長期保管されることになったようだ。しかし、737C-001的にはラッキーなことに現オーナーである伊藤さんの手に渡ったわけである。伊藤さんは737C-001を再生し、ちゃんと走れる状態に戻すことが、縁あってこのマシンと巡り会えた自分の使命だと感じたそうだ。

手元に来た737C-001の各部を調べてみたら、ギヤボックス、駆動系、サスペンション、計器類はオーバーホールすれば走れる状態だったが、フューエルラインや電気系は再生しなくてはならなかったのだという。エンジンは、協力してくれることになった広島マツダに持ち込み、同社のロータリーエンジンエキスパートがオーバーホール作業を担当してくれたそうだ。

「先日開催されたマツダファンフェスタで初めて走行できました。まだエンジンが慣らし中で、2回目のサーキット走行となる今回も慣らしでした。特に問題なかったので、2本目はちょっとずつエンジンの回転数を上げながら走ってみました。サーキットがほぼ貸し切り状態なので、後ろを気にすることなく自分のペースで走ることができたので面白かったです」

美しいムーンクラフト製のボディに当時の写真をもとに再現したリバリー(車体に施されるグラフィックデザイン)を纏った85号車が、官能的なロータリーサウンドを響かせながら富士スピードウェイのホームストレートを駆け抜けていく姿は圧巻だった。次の機会に全開で走っている737C-001を堪能できたら幸いだ。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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